小児外科の治療方法

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診療受付時間 午前 8:30〜11:00
休診日 土・日・祝日・創立記念日(5/1)
・年末年始(12/29~1/3)
面会時間 平日 14:00~16:00、
土・日・祝日 13:00~17:00

小児外科の治療方法

鼠径ヘルニア

こどもの手術で一番多いのが鼠径ヘルニアです。当科で一番力を入れている疾患であり、兵庫県内の他施設に比べても手術件数は非常に多いです。手術は傷がほとんど目立たず、将来反対側のヘルニアの発症も予防できる腹腔鏡手術をいち早く取り入れています。片側のヘルニアと思って手術を行っても、腹腔鏡で観察すると半分以上の患者様に反対側の鼠径ヘルニアが見つかります。腹腔鏡手術では傷が小さいことに加えて、手術中に反対側のヘルニアが見つかれば同時に手術を行えるという大きなメリットがあります(将来反対側の鼠径ヘルニアになることはほとんどなくなります)。また鼠径を開ける手術に比べ、男児の精巣血管・精管へのダメージも非常に少ないと考えています。手術時間はおおむね30分程度です。

入院は基本的に1泊2日ですが、患者様の状態・ご家族の希望により日帰り手術(お泊りしません)も可能です。また手術室では麻酔導入(お子様が眠る)までご家族が付き添うことか可能です。お子様やご家族の不安が少しでも軽減できるようにしております。

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陰嚢水腫

陰嚢の中にお水のたまった袋があり、陰嚢が大きく膨れる状態です。中には、水のたまった袋が固く触れ、もう一つ睾丸があるように見えることもあります。基本的に痛みは伴いません。乳児期に多く見られますが、1歳ころまでに、小さくなってくることが多いです。しかし中には大きいままの患者さんもおられ、美容的な意味合いで手術を行うこともあります。傷の小さな腹腔鏡手術を取り入れています。

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急性虫垂炎

急性虫垂炎は、こどもの緊急手術の中で一番多い病気です。軽度のものは抗生物質で改善することもあります。しかし、小児の虫垂炎は年齢が低いほど早期の診断がつきにくく、また中学生であっても我慢しすぎて思いのほか進行している場合があります。当院では、10年間で500例近い急性虫垂炎の手術を行いましたが、そのうち約20%は進行しており、虫垂が破れて腹膜炎(炎症がおなか全部に拡がった状態)を起こしていました。当院では急性虫垂炎に対して、基本的にお臍からだけの腹腔鏡手術を行っています(炎症がよっぽどひどい時には、追加の傷が入ることもあります)。傷はお臍の中だけですのでほとんどわかりません。

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臍ヘルニア

新生児期・乳児期のお臍は、へその緒が通っていた名残で、その部分だけおなかの筋肉が弱くなっています。その為、生後間もないころからお臍がふくれます。これを臍ヘルニアと呼んでいます。ほとんどのお子様は、1歳頃までにお臍の壁がしっかりしてきて、自然に臍のふくらみは治ります。しかし、中には1歳を過ぎても臍のふくらみが治らないお子様がおられます。基本的に臍ヘルニアがあっても大きな問題はないのですが、幼稚園・学校でいじめの対象になることもあります。そのため美容目的に手術を行うことがあります(保険は適応されます)。またお臍のふくらみは治っても、皮膚がたるんでしまう場合があります。その時も、お臍の形をきれいにする手術を行うこともあります。基本的に臍ヘルニアの手術は1歳以降におこなっています。

最近、大きな臍ヘルニアに対して綿球で圧迫して皮膚のたるみを予防する治療があります。当院では、1歳未満の臍ヘルニアに対しては、この圧迫療法についても指導させていただきます。当科はきれいな傷の手術を目指しています。お子様のお臍の形でお悩みの時はいつでもご相談ください。

停留精巣

精巣はお母さんのおなかの中にいる時に、陰嚢内に自然に降りてきます。その途中で留まって陰嚢内に降りていない状態が停留精巣です。生後3か月頃までは、自然に降りてくる事もありますが、それ以降は自然に降りてくることはほとんどありません。停留精巣をそのままにしておくと、体温の影響で精巣の発育が妨げられる可能性があります。その為、可能なら精巣を陰嚢内に固定する必要があります。一般的に手術は生後6か月以降に行います。お子様の精巣が触れない、位置が高いなど気になることがあればご相談ください。

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先天性胆道拡張症

先天性胆道拡張症は、先天的に胆道の拡張を来す疾患で、膵管と胆管の合流異常を合併することがほとんどです(膵・胆管合流異常)。こどもでは、腹痛・嘔吐で発症することがほとんどで、放置すると発癌のリスクが高いといわれています。治療は、拡張した肝外胆管を切除して、胆汁の流れ道を再建する手術が必要です。当院は、先天性胆道拡張症に詳しいスタッフをそろえております。また兵庫県下でも小児の先天性胆道拡張症に対する腹腔鏡手術がおこなえる数少ない施設のひとつで、小さい傷の手術が可能です。先天性胆道拡張症のこと、腹腔鏡下胆道拡張症手術について知りたい方はご相談ください。

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漏斗胸

漏斗胸とは、胸骨(胸の前の骨)とそこにつながる肋骨が背側に陥凹している状態を言います。原因は、今のところはっきりと分かっていません。中には、陥凹した胸骨が心臓を圧迫するために、不整脈や運動時の息切れを訴えることがあります。しかし、そのような症状がなくても、自分の胸の形を非常気にされ、つらい思いをされているお子様も多くおられます。基本的に美容目的になりますが治療することが可能です。こどもの胸の陥凹で気になる方は、ご相談ください。

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こどもの便秘

こどもでも便秘症は非常におおく、10人に1人以上とも言われています。実際、当科でも多くの便秘の患者様を診察し、排便に関するアドバイス、または投薬を行っています。こどもの場合、単なる便秘だと思われている中に、ヒルシュスプルング病のように先天的に腸の動きが悪い病気(手術が必要になります)がまぎれている場合があります。また、便秘がひどくなると、固形の便は出ず水様の便しか出なくなります。本当は便秘なのに下痢と診断されている場合も多くあります。このようなときも適切な便秘の治療を行うことで改善します。こどもの排便の問題(便秘など)でお困りの時はお気軽にご相談ください。

こどもの胃瘻

何らかの原因で口から栄養を摂ることが困難な場合に胃瘻が必要となることがあります。初めは鼻から胃へチューブを挿入し栄養を投与されることが多いです。しかし、本人にしてみれば常時鼻にチューブが入っていることは苦痛です。その為最近では、胃瘻を造設される方が多くなってきました。胃瘻は腹壁を通して胃の中にチューブを留置するものです。胃瘻だけの手術であれば小さな傷で、1時間以内で行なうことが可能です。入院は、胃瘻だけの手術なら術後数日となります。退院後は外来で胃瘻の交換をさせていただき、長期的なフォローもご家族と一緒に外来で見させていただいております。手術後も何かあればいつでもご相談下さい。

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こどもの胃食道逆流症

小児ではまれに胃から食道への逆流が見られることがあります(特に寝たきりのお子様に多いです)。その場合、胃に注入したものを嘔吐したり、それを肺に吸い込み肺炎を引き起こしたりします(誤嚥性肺炎)。また、胃の酸が常に食道を腐食するため、食道炎(吐血の原因)ともなります。姫路赤十字病院では、お薬で改善しない胃食道逆流のお子様に、傷の小さな腹腔鏡での逆流防止手術が可能です。

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