こどもの陰嚢水腫について
陰嚢水腫とは?
陰嚢の中にお水のたまった袋があり、陰嚢が大きく膨れる状態です。中には、水のたまった袋が固く触れ、もう一つ睾丸があるように見えることもあります。基本的に痛みは伴いません。
陰嚢水腫の原因は?
こどもの陰嚢水腫は、おなかの中から陰嚢内につながる細い通路があり、おなかの中の水(腹水)がその通路を通って、陰嚢内の袋に溜まることで起こります。
陰嚢水腫と鼠径ヘルニアの違いは?
陰嚢水腫も鼠径ヘルニアも原因はおなかの中から続く通路です。通路が大きいときは、腸管などの臓器がおなかの中から袋に入ります。そういう状態を鼠径ヘルニアと言います。一方通路が細いときは、臓器は入り込まず腹水だけがたまります。そういう状態を陰嚢水腫と言います。時に鼠径ヘルニアと陰嚢水腫の判断は難しいこともあり、一度小児外科医の診察を受けることをお勧めします。
痛みを伴う陰嚢の腫れは?
陰嚢水腫は、基本的に痛みを伴いません。痛みを伴う陰嚢の腫れには、陰嚢水腫ではない場合があります。鼠径ヘルニアの嵌頓、精巣捻転、精巣垂捻転、精巣上体炎、精巣炎などが考えられます。すぐに受診をしてください。
陰嚢水腫の治療は?
陰嚢水腫は、陰嚢は腫れていますが基本的に大きな害はありません。乳児期に多く見られますが、1歳ころまでに、小さくなってくることが多いです。しかし中には1歳を越えても大きいままの患者さんもいます。その場合は、美容的な意味合いで手術を行うこともあります。手術は腹腔内からの水の通り道である通路を閉鎖する手術で、基本的に鼠径ヘルニアの手術と同じです。当院では、傷の小さな腹腔鏡手術を取り入れています。