血液腫瘍センター
血液腫瘍センターの概要
「血液疾患って何だろう。血液の腫瘍(造血器悪性疾患)と診断されるともうだめだ、どうせ治らない病気でしょ」。血液・腫瘍内科に紹介されて受診される患者さんは不安で押しつぶされそうになりながら受診されます。 白血病に代表される血液の腫瘍は放置すれば急激に進行し生命を脅かす疾患であるために怖い病気のイメージをもたれていることが多いようです。画像検査ではわかりにくく、主に採血の異常で発見されるため、血液疾患の診断や治療は専門性が高く、診療している施設も限られているのが現状です。
血液腫瘍の治療の中心はがん薬物療法ですが、血液の中に治療薬を入れることで、血液の循環とともにすみずみまで薬剤が行き渡り著効することが知られています。血液腫瘍は最も薬物療法が効果を発揮する悪性疾患なのです。がん薬物療法には殺細胞薬、分子標的薬があり、その他放射線治療、免疫力を利用して治療をおこなうCAR-T療法等様々な選択肢があります。治りにくい種類の血液腫瘍には70歳までであれば自己末梢血幹細胞移植(悪性リンパ腫や多発性骨髄腫に対して)や65歳までであれば同種造血幹細胞移植(白血病など)をおこない完治をめざしていきます。
医師、看護師、薬剤師、検査技師、栄養士、臨床工学技士(ME)、メディカルソーシャルワーカー(MSW)、医療秘書などの医療スタッフ、血液検査部門、画像検査部門など患者さんやご家族のサポートをおこなうたくさんのスタッフや部門が皆さまのサポートをおこないます。
血液腫瘍センターは血液疾患と診断された患者さんに夢と希望をもっていただけるよう取り組んでいます。
▲血液腫瘍センタースタッフ
▲多職種によるチームカンファレンス
▲無菌室(クリーンルーム)
外来について
独立した専門の外来スペースで、診察、骨髄検査、輸血をおこないます。
外来化学療法センター
31床を有し、血液・腫瘍センターの隣にあります。専門看護師、専門薬剤師が常駐しており安心して通院治療をおこなえる環境を整えています。
入院について
60-80名/日の患者さんの治療をおこなっています。
造血幹細胞移植について
血縁者間(ご家族からの)の移植治療をおこなっています。2022年からは非血縁者間の移植治療を予定しています。
CAR-T療法について
Tリンパ球による免疫力を使って治療をおこないます。すべての患者さんにできる治療ではありませんが、治療にふさわしい状態かを適切に判断し、岡山大学病院と連携しながらおこなっています。
検査について
骨髄検査は年間約600件・骨髄生検は年間約200件、外来で主におこなっています。
治験・共同研究について
国際共同治験も含め、未来の新しい治療法の選択肢が得られるよう検討し、該当の患者さんには治験の提案をしています。また全国の血液専門施設と共同でより良い治療法の研究をおこなっています。
当センターの受診方法
かかりつけ医の先生からFAXにて地域医療連携室に紹介していただくことで速やかに受診可能です。
スタッフ紹介
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平松 靖史/ ひらまつ やすし
H4年卒
役職 副院長
- (兼)第二内科部長事務取扱
- (兼)血液・腫瘍内科部長事務取扱
- (兼)化学療法センター長事務取扱
- (兼)血液腫瘍センター長事務取扱
- (兼)検査技術部長事務取扱
- (兼)血液管理室長
専門分野 血液・腫瘍
資格 - 日本内科学会総合内科専門医・認定内科医・内科指導医
- 日本血液学会認定血液専門医・指導医
- 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・暫定指導医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 日本造血細胞移植学会認定造血細胞移植認定医
- 日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定医・指導医
- 学会認定・自己血輸血責任医師
- ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター
- 岡山大学医学部医学科臨床教授
血液腫瘍(造血器悪性腫瘍)の患者さんへ
当血液腫瘍センターは赤十字病院の理念『人道・博愛』の精神のもと、完治を目指せる患者さんには完治をめざし、完治をめざせない患者さんには生活の質を重視した治療を提供します。皆さまの希望を尊重しながら、適切で最善の治療法を提供していきます。血液腫瘍センターのスタッフとともに希望をもってがんばっていきましょう。