院長挨拶


姫路赤十字病院院長
岡田 裕之
姫路赤十字病院のホームページを閲覧していただきまして有難うございます。
当院は明治41年(1908年)に創立し、今年2026年4月1日で118年を迎えます。
その長い歴史の中で地域に寄り添い、信頼されながら地域とともに発展してきた病院です。そして地域の中核病院として様々な使命を担っています。
高度急性期・急性期病院
手術や救急医療、集中治療、そしてインターベンション治療を中心に最新の医療機器を用いて33診療科あらゆる分野で質の高い医療の実践に務めています。そして各職種、各診療科が、その得意とすることを十分に発揮し、互いに連携しながらのチーム医療を深化させています。
地域がん診療連携拠点病院
内視鏡治療、焼灼治療、薬物療法、放射線治療、そしてロボット支援手術も含めた手術療法など先進的ながん治療を積極的に推進しています。外科系診療科ではロボット支援手術の保険適用が拡大してきており、当院でも2台の手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」が稼働して2025年は431件を実施しました。先進治療として膵神経内分泌腫瘍に対する放射線内用療法(PRRT)、頭頸部癌に対する光免疫療法、そして2025年9月からは血液腫瘍に対するCAR-T療法(患者T細胞を遺伝子操作してがん細胞を攻撃できるようにして体内に戻す)も開始しました。さらに、緩和ケアの充実、在宅医療の支援もおこなっています。
がんゲノム医療連携病院
遺伝子診療科では標準治療が困難な場合に、がんの原因となっている遺伝子異常を調べ、拠点である岡山大学病院と連携して、その異常に対して効果のある薬剤を見つけて患者さん毎の個別化治療が行えるように努めています。2025年11月からは院内でエキスパートパネル(がん遺伝子パネル検査によるがん遺伝子変異の解析を検討する専門家会議)を実施しています。がん医療以外でも遺伝性腫瘍、小児難病、難聴、循環器疾患、出生前検査など幅広い領域を対象に遺伝外来を実施しています。
総合周産期母子医療センター
姫路・播磨医療圏における「総合周産期母子医療センター」として低出生体重児(未熟児)の集中管理やハイリスク妊産婦の妊娠・分娩管理を担っています。産科と小児科、小児外科が強く連携して小児、周産期医療を実践しています。
地域医療支援病院
地域の医療機関との機能・役割分担を積極的に進めるために、地域医療連携室が積極的に活動して病病連携、病診連携が迅速、円滑に進み、途切れることのない医療が行えるように努め、一連の治療が落ち着いたらかかりつけ医療機関へ逆紹介して回復期、慢性期医療がシームレスに進むように調整しています。また、当院での急性期疾患の初期治療を終えた患者さんを速やかに地域医療機関に転送するいわゆる「下り搬送」も積極的に行い、従来の「病院完結型」ではなく「地域完結型」医療の中核を担っています。
災害拠点病院
赤十字社の使命である「人道」の実現のため、災害発生時には力を発揮し、地域はもとより国内の災害時には率先して救護に当たっています。毎年、多職種130名余りからなる救護班を結成し、近畿圏内各所での定期的な訓練も実施しています。2024年1月の能登半島地震の際にも40名余りの職員が現地に赴き救援活動に勤めました。国際救援も同様で、最近ではトルコ・シリア大地震においても当院のスタッフが支援に派遣されました。
人材育成
初期臨床研修病院として研修医定員14名がフルマッチ、初期研修歯科医も毎年1〜2名を採用しています。2025年4月には初期研修医の研修プログラムや研修状況の評価であるNPO法人卒後臨床研修評価機構(JCEP)の審査に合格しました。さらに2年間の初期研修を終えたのちは、内科専門医、放射線科専門医において当院独自のプログラムによる研修を行っています。そして2026年度からは産婦人科専門医研修プログラムも開始します。
また、医師の業務の一部を看護師が代行で担うことができる特定看護師育成にも力を入れており、特定行為指定研修機関に認定され、現在32名が資格を取得しております。医師の働き方改革のためのタスクシフトに繋がっています。
さらに附属看護専門学校の各学年約40名の卒業生のうち毎年8〜9割は当院看護師として入職してくれています。
我々を取り巻く医療環境は大きく変化してきています。継続するウクライナ情勢やにわかに起こった日中問題など地政学的リスク、エネルギー価格や物価の高騰、そして慢性的な円安によるコスト増という多くの不確実性を抱えています。国内を見れば、2040年問題として取り上げられている超高齢社会のさらなる進行により、社会保障制度そのものが大きな転換を迫られています。
これら多様な変化に即して当院も変化していかなくてはなりません。そして今後も地域住民に必要とされる機能を整え、地域医療機関と緊密な連携をとり、心のかよう安全で良質な医療を実践してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2026年1月
姫路赤十字病院
院長 岡田 裕之




