院長挨拶
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姫路赤十字病院院長
岡田 裕之
姫路赤十字病院のホームページを閲覧していただきまして有難うございます。
当院は明治41年(1908年)に創立し、今年2025年4月1日で117年を迎えます。
その長い歴史の中で地域に寄り添い、信頼されながら地域とともに発展してきた病院です。そして地域の中核病院として様々な使命を担っています。
高度急性期・急性期病院
手術や救急医療、集中治療、そしてインターベンション治療を中心に最新の医療機器を用いて33診療科あらゆる分野で質の高い医療の実践に務めています。そして各職種、各診療科が、その得意とすることを十分に発揮し、互いに連携しながらのチーム医療を深化させています。
地域がん診療連携拠点病院
内視鏡治療、薬物療法、放射線治療、そしてロボット支援手術も含めた手術療法など先進的ながん治療を積極的に推進しています。外科系診療科ではロボット支援手術の保険適用が拡大してきており、当院でも2台の手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」が稼働して年間約400件を実施しています。また、緩和ケアの充実、在宅医療の支援もおこなっています。
がんゲノム医療連携病院
遺伝子診療科では標準治療が困難な場合に、がんの原因となっている遺伝子異常を調べ、拠点である岡山大学病院と連携して、その異常に対して効果のある薬剤を見つけて患者さん毎の個別化治療が行えるように努めています。
がん医療以外でも遺伝性腫瘍、小児難病、難聴、循環器疾患、出生前検査など幅広い領域を対象に遺伝外来を実施しています。
総合周産期母子医療センター
姫路・播磨医療圏における「総合周産期母子医療センター」として低出生体重児(未熟児)の集中管理やハイリスク妊産婦の妊娠・分娩管理を担っています。産科と小児科が強く連携して小児、周産期医療を実践しています。
地域医療支援病院
地域の医療機関との機能・役割分担を積極的に進めるために、地域医療連携室が積極的に活動して病病連携、病診連携が迅速、円滑に進み、途切れることのない医療が行えるように努め、一連の治療が落ち着いたらかかりつけ医療機関へ逆紹介して回復期、慢性期医療がシームレスに進むように調整しており、従来の「病院完結型」ではなく「地域完結型」医療の中核を担っています。
災害拠点病院
赤十字社の使命である「人道」の実現のため、災害発生時には力を出し、地域はもとより国内の災害時には率先して救護に当たっています。毎年、多職種120名余りからなる救護班を結成し、近畿圏内各所での定期的な訓練も実施しています。能登半島地震の際にも40名余りの職員が現地に赴き救援活動に勤めました。国際救援も同様で、最近ではトルコ・シリア大地震においても当院のスタッフが支援に派遣されました。2023年にはスタッフの一人が長年の功績を評価されて2年に1度、世界で約30名の看護師が受賞するフローレンス・ナイチンゲール記章を授与されました。
人材育成
初期臨床研修病院として研修医定員14名がフルマッチ、初期研修歯科医も毎年1〜2名を採用しています。さらに2年間の初期研修を終えたのちは、内科専門医、放射線科専門医に関しては当院独自のプログラムによる研修を行っており、2025年4月からも8名の内科専攻医が研修を開始いたします。
また、医師の業務の一部を看護師が代行で担うことができる特定看護師育成にも力を入れており、特定行為指定研修機関に認定され、現在27名(のべ57医療行為)が資格を取得しております。医師の働き方改革のためのタスクシフトに繋がっています。
さらに附属看護専門学校の各学年約40名の卒業生のうち毎年8〜9割は当院看護師として入職してくれています。
我々を取り巻く医療環境は大きく変化してきています。
少子高齢化、疾病構造の変化、コロナ禍を経験しての感染症対策、また働きかた改革の実践に努めなければなりません。さらに国は医療情報のデジタル化など医療DXの推進を加速してきています。これら多様な変化に即して当院も変化していかなくてはなりません。そして今後も地域住民に必要とされる機能を整え、地域医療機関と緊密な連携をとり、心のかよう安全で良質な医療を実践していきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年1月
姫路赤十字病院
院長 岡田 裕之