遺伝子診療科
遺伝子診療科の紹介
遺伝外来は、遺伝に関する疑問や気になることを相談できるところです。当院では遺伝性腫瘍、小児難病、難聴、循環器疾患など幅広い疾患を対象に遺伝外来を実施しています。
当院の遺伝外来には、遺伝性腫瘍に関する相談が多く寄せられています。近年、遺伝医学の進歩により遺伝に関する様々なことが解明されつつあり、がん全体の約10%が遺伝性の腫瘍であると考えられています。遺伝学的検査を受検することで特定のがんを発症しやすい遺伝子の特徴をお持ちかが分かります。特定のがんを発症しやすいことが分かれば、きめ細やかな健康管理(サーベイランス)を行うことでがんの早期発見・早期治療につなげることができます。さらに、ご家族においてもがんを発症する前段階で自身の体質を知りサーベイランスにつながるきっかけとなります。
また当院では、難病診断のためのマイクロアレイ染色体検査を行っています。マイクロアレイ染色体検査は従来の染色体検査よりも、さらに詳細な染色体の分析を行うことができます。遺伝性腫瘍や難病だけでなく遺伝子が関係して起こる病気においては、遺伝学的検査により、原因がみつかるとより適切な対応や治療につながる可能性があります。
当院では、症状の有無にかかわらず遺伝外来を受診していただくことができます。遺伝外来での相談は多岐にわたり、現在までさまざまな遺伝性疾患に対応してきました。今後はさらに出生前遺伝学的検査を開始予定です。当院は播磨地域の中核となり、遺伝医療を担う機関であると考えています。
スタッフ紹介
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甲斐 恭平/ かい きょうへい
S63年卒
役職 副院長
- (兼)医療安全推進室長
- (兼)第一外科部長事務取扱
- (兼)皮膚科部長事務取扱
- (兼)遺伝診療部長事務取扱
- (兼)緩和ケアセンター長事務取扱
- (兼)がん診療センター長事務取扱
- (兼)神経内分泌腫瘍(NEN)センター長事務取扱
- (兼)がん診療連携部門長事務取扱
- (兼)ゲノムカウンセリング室長事務取扱
- (兼)低侵襲センター長事務取扱
専門分野 - 一般消化器外科
- 肝胆膵疾患
資格 - 日本外科学会外科認定医・専門医・指導医
- 日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
- 日本肝胆膵外科学会肝胆膵外科高度技能指導医・評議員
- 岡山大学医学部臨床教授
- 近畿外科学会評議員
- da Vinci Certificate holder
- 日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医
- 日本肝胆膵外科学会ロボット支援肝切除術プロクター
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中川 卓/ なかがわ たく
H14年卒
役職 小児神経科部長
- (兼)ゲノムカウンセリング副室長事務取扱
専門分野 小児神経
資格 - 日本小児科学会小児科専門医・指導医
- 日本小児神経学会小児神経専門医
- 日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医
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中山 朋子/ なかやま ともこ
H15年卒
役職 第三産婦人科部長
専門分野 産婦人科一般
資格 - 日本産科婦人科学会産婦人科専門医・指導医
- 日本周産期・新生児学会周産期(母体・胎児)専門医・指導医
- 新生児蘇生法「専門」コース インストラクター
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
- 母体保護法指定医師
- 日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医
- 日本産科婦人科遺伝診療学会認定(周産期)
- J-MELSベーシックインストラクター
- da Vinci Console Surgeon 認定
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田村 和朗/
役職 非常勤
資格 - 臨床遺伝専門医・指導医
- 日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医・指導医
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平沢 晃/
役職 非常勤
資格 - 臨床遺伝専門医・指導医
- 日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医・指導医
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山本 英喜/
役職 非常勤
資格 - 臨床遺伝専門医
- 日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医
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岡﨑 哲也/
役職 非常勤
資格 - 臨床遺伝専門医・指導医
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藤田 裕子/
役職 常勤
認定遺伝カウンセラー
乳がん看護認定看護師 -
多田 陽香/
役職 常勤
認定遺伝カウンセラー -
和仁 洋治/ わに ようじ
H7年卒
役職 臨床検査科部長
専門分野 外科病理学
資格 - 日本病理学会病理専門医
- 日本臨床細胞学会細胞診専門医
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河谷 浩/
役職 常勤 検体検査第一課
臨床検査技師 -
永谷 たみ/
役職 常勤 病理検査課
資格 - 認定病理検査技師
- 認定臨床染色体遺伝子検査師(遺伝子分野)
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井上 豊子/
役職 常勤 がん診療連携課
資格 - 緩和ケア認定看護師
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山根 美代子/
役職 常勤 がん診療連携課
資格 - がん看護専門看護師
- がんゲノム医療コーディネーター
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三木 利恵/
役職 常勤 がん診療連携課
資格 - 乳がん看護認定看護師
- がんゲノム医療コーディネーター
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田路 紗和子/
役職 非常勤 がん診療連携課
資格 - 臨床検査技師
- がんゲノム医療コーディネーター
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村上 陽子/
役職 常勤 治験・臨床研究管理センター
薬剤師 -
安東 正子/
役職 常勤 がん診療連携課
資格 - 診療情報管理士
- 院内がん登録実務中級認定者
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春井 直子/
役職 常勤 がん診療連携課
資格 - 診療情報管理士
- 院内がん登録実務中級認定者
紹介時準備いただくもの
完全予約制です。ご紹介希望の場合は当院地域連携室へお申込みください。なお、患者様の面談に十分な時間が確保できるよう、専用の診療情報提供書と家系図(患者記載用)の準備をお願いします。診療情報提供書の内容が不十分な場合は、受診をお断りする場合があります。
FAXいただくもの
持参いただくもの
遺伝性腫瘍に関する遺伝外来のご案内
遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)について
HBOCは代表的な遺伝性腫瘍の一つです。
2020年4月よりBRCA1/2遺伝子検査の一部が保険収載されました。BRCA1/2遺伝子検査を受検し、HBOCと診断された方への対応としては、各科が協力して複数の臓器のサーベイランスおよび乳房・卵巣に対するリスク低減手術を実施しています。HBOCについて詳しくお知りになりたい方は、一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌症候群総合診療制度機構が作成した、一般の方向けのパンフレットがホームページより参照できます。院内に掲示しているポスターも一緒にご確認ください。
その他の遺伝性腫瘍について
当院では、多数の遺伝子を同時に検査することができる多遺伝子パネル検査(multi-gene panel testing: MGPT)を実施しています。例えば、若年で乳がんを発症した患者さんがHBOCのBRCA1/2遺伝子検査を受検して陰性であったとしても、全ての遺伝性乳がんを否定できるわけではありません。また、ご家族のがん罹患状況から遺伝性腫瘍の可能性が高いと考えられる一方で特定の遺伝性腫瘍症候群に絞り込めない場合もあります。このような場合、MGPTを受検することで遺伝性腫瘍と診断される可能性があります。1人1人の来談者に合わせた対応をご提案し、ご自身による意思決定へのサポートを行います。どの検査を受検するか迷われている患者様も、遺伝カウンセリングの中で専門の医師や遺伝カウンセラーと一緒に考えることができます。
その他の遺伝性疾患について
当院では、遺伝性のがんだけでなく先天異常や難病、難聴、循環器疾患などさまざまな遺伝性疾患に対応しています。遺伝学的検査により診断がついた場合、今後の症状予測や治療選択、適切な対応などに役立つ場合があります。遺伝外来は完全予約制です。まずは主治医にご相談ください。
遺伝外来を受診されるみなさまへ
遺伝外来は完全予約制です。受診ご希望の場合は担当医より当院地域連携室へお申し込みください。また、がんを発症されていない方などかかりつけ医がいない場合は、相談支援センターまでご連絡ください。
なお、面談に十分な時間が確保できるように家系図(来談者ご自身で記載)の準備をお願いします。特に家系情報の聴取には十分な時間が必要ですので、可能な限り詳細に記載していただきますようお願いします。受診するか迷われている場合は、お気軽にご相談ください。
持参いただくもの
健康管理手帳について
遺伝性腫瘍の体質が分かった場合は、体質に応じたきめ細やかな健康管理が大切です。
健康管理を一緒に続けていくために、下記2つの健康管理手帳を作成いたしました。
※ご自由にダウンロードしてご使用ください。
※なお、健康管理手帳内に記載されている医学情報は、現時点での一般的な情報です。
今後、ガイドラインの変更などに伴い、推奨される健康管理方法が変わることがあります。
あなたに適した健康管理は、主治医と相談した上で行ってください。
遺伝カウンセリング料
院内紹介の場合 | 3,300円(税込み) |
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院外紹介の場合 |
5,500円(税込み) ※2回目以降は3,300円(税込み) |
オンライン遺伝カウンセリング |
上記、遺伝カウンセリング料に加えて 手数料として2,750円(税込み)かかります。 |
当院では、遠方にお住まいのご家族などに対して遺伝カウンセリングを希望される場合はオンライン遺伝カウンセリングを実施しています。お気軽にご相談ください。
問い合わせ先
079-294-2251(代表) 079-299-0037(直通)