呼吸器外科

診療科の概要

呼吸器センターの外科治療担当として、主に肺がんの手術を行っています。

肺がんに対して内視鏡である胸腔鏡（きょうくうきょう）を使った「完全鏡視下（きょうしか）胸腔鏡手術」や、手術支援ロボット“ダヴィンチ”を使った「ロボット支援手術」や一つだけの創（きず）で行う「単孔式胸腔鏡手術」を行っています。 肺がん以外にも縦隔腫瘍や気胸・のう胞性肺疾患、膿胸などの感染症の外科治療にも対応しています。

当科の特徴

手術用の内視鏡である胸腔鏡（きょうくうきょう）を使った手術（VATS）に加え、2019年に姫路で初めて手術支援ロボット“ダヴィンチ”を使った「ロボット支援手術（RATS）」を開始し、2022年には症例数が100例を超えました。また当科の医師2名はRATSの指導医資格（プロクター）を取得し、肺がんに対する新しい標準治療の選択肢としてRATSを実施しています。

現時点ではRATSは悪性疾患にしか保険適用されていないため、良性疾患にも適応できる低侵襲手術法として一つの創（きず）で行う「単孔式胸腔鏡手術」を行っています。

開設からの診療の変遷

2016年	当科開設。肺がんに対する胸腔鏡補助下手術（ハイブリッドVATS）を開始。
2017年	自然気胸に対する単一肋間2孔式VATS（two-ports SIC VATS）を開始。
2018年	完全鏡視下胸腔鏡手術（complete VATS）による肺がん手術を開始。 呼吸器センター化による気胸・膿胸などの準緊急的疾患への早期外科的介入。 縦隔（じゅうかく）腫瘍に対する剣状突起下アプローチによる縦隔腫瘍摘出術を開始。
2019年	ロボット支援胸腔鏡下手術（RATS）と単孔式胸腔鏡手術（uniportal VATS）を開始。
2021年	RATSによる区域切除を開始。
2022年	RATSによる縦隔腫瘍手術を開始。

呼吸器センター

対象疾患

当科で手術療法を行う代表的疾患

• 肺がん：原発性肺がんと転移性肺がん

  ⇒ロボット支援胸腔鏡手術、完全鏡視下胸腔鏡手術、単孔式胸腔鏡手術、開胸手術、3-DシミュレーターとICG蛍光法を用いた縮小手術

• 自然気胸：若い人にも起こる肺に穴が開く原発性自然気胸、中高年のタバコが原因で起こる続発性自然気胸

  ⇒痛みとキズの少ない単一肋間自然気胸手術

• 縦隔腫瘍：胸腺腫、神経原性腫瘍、奇形腫など

  ⇒縦隔腫瘍に対する胸骨を割らない剣状突起下アプローチ胸腔鏡手術

• 呼吸器感染症：胸膜炎、膿胸、非結核性抗酸菌症、肺アスペルギルス症など

  その他、各種外科的生検、肺がんによる気道狭窄に対するステント治療なども行えます。

• 肺がん
• 自然気胸
• 縦隔腫瘍

患者さんへ

• 手術適応は呼吸器内科や放射線治療科とのカンファレンスで総合的に検討します。
• 身体への負担を少なく＝低侵襲（ていしんしゅう）、病気をしっかり治す＝根治性の両立を目指します。
• 最新の肺癌診療ガイドライン（日本肺癌学会・編）に則してロボット支援手術、胸腔鏡手術、開胸手術を適切に実施します。

※市販のいわゆる“病院ランキング本”の一部では当院の手術症例数や内容が実際と異なって掲載されています。国内で実施された手術・治療・病理解剖情報を収集するNational Clinical Database（NCD）登録症例に基づく最新の精確な症例数は本ホームページの“手術実績”をご参照ください。

スタッフ紹介

• 

  田尾 裕之/ たお ひろゆき

  H9年卒

  役職	呼吸器外科部長 （兼）呼吸器センター長
  専門分野	呼吸器外科 胸腔鏡手術
  資格	日本外科学会外科認定医・専門医・指導医 呼吸器外科専門医（呼吸器外科専門医合同委員会） 日本呼吸器外科学会評議員 日本呼吸器外科学会認定ロボット支援手術プロクター 日本呼吸器外科学会胸腔鏡安全技術認定医 日本内視鏡外科学会技術認定医(呼吸器外科) 日本ロボット外科学会専門医(国内A級) 肺がんCT検診認定医師 臨床研修指導医 da Vinci console surgeon 認定 岡山大学医学部臨床准教授

• 土生 智大/ はぶ ともひろ

  H28年卒

  役職	医師
  専門分野	呼吸器外科 外科一般
  資格	日本外科学会外科専門医 da Vinci First Assistant 認定

• 三原 大樹/ みはら だいき

  H31年卒

  役職	医師
  専門分野	呼吸器外科
  資格	日本外科学会外科専門医

手術実績

手術実績（National Clinical Database登録症例及び日本胸部外科学会学術調査に基づく）

当科開設：2016年4月

呼吸器外科専門医合同委員会修練施設認定：2018年より