腸重積
腸重積とは?
腸重積とは、腸の一部が肛門側の腸管の中にはまり込んでしまう状態です。はまり込んだ腸管部分は2重になり血液の流れが悪くなりうっ血します。またその部分の腸は閉塞します。その為、腹痛・嘔吐・粘血便(イチゴジャム様)がみられぐったりとされます。1歳前後の乳児に発症することが多く、緊急の対応が求められる病気です。中には年長児にも見られます。
原因は?
乳幼児期にみられる小児腸重積は、ウイルス感染などによって腸管のリンパ組織が大きく腫れあがることが原因で起こります。
年長児の場合は、腸管に何らかの疾患が存在している可能性があります(ポリープや憩室など)。
診断は?
おなかの超音波検査になります。はまり込んで2重になった腸管が見えたら診断できます(ターゲットサインと言います)
治療は?
腸重積はできるだけ早く治療をおこなう必要があります。発症から早期であれば、高圧浣腸で治療します。具体的には、肛門から造影剤や空気を入れ、病変部位に対して陽圧をかけながら整復する方法がとられます。 しかし、こうした高圧浣腸で、はまり込んだ腸が戻らないときは、腸のはまり込みを治す手術が必要です。また、長時間はまり込んだままで腸管のダメージが大きいときは腸管を切除する必要もあります。