呼吸器外科

縦隔腫瘍:胸腺腫、神経原性腫瘍、奇形腫など

縦隔腫瘍に対する胸骨を割らない剣状突起下アプローチ胸腔鏡手術

左右の肺の間は「縦隔(じゅうかく)」と呼ばれる場所です。この場所には若い人も含めて腫瘍ができることがあります。転移をしない腫瘍が多いものの、手術で摘出しないと性質がわからないことが多いため、原則として縦隔の腫瘍は良性でも手術による摘出が必要です。
胸腺腫(きょうせんしゅ)は縦隔腫瘍の代表的な疾患です。腫瘍としての性質に加え重症筋無力症(手術症例の14。8%に合併と報告されています)などの病気を合併することが知られており、発見された場合は摘出して詳しく調べることをお勧めします。
胸腺腫は心臓の前側(胸側)にできるため、以前は昔から心臓の手術のように「胸骨(胸の真ん中にある骨)」を縦に割って腫瘍を取り出すのが基本でしたが、胸腔鏡の進歩により左右の肋間からカメラを入れて手術をすることも増えました。さらに当院では胸骨の下の端にある「剣状突起(けんじょうとっき)」の下から胸腔鏡を入れて、胸骨を切らず、また痛みが出やすい肋間のキズを少なめにする剣状突起下アプローチも行っています。

剣状突起下アプローチを用いたデュアルポート胸腺摘出術“Dual-port thymectomy using subxiphoid approach”

S Takashi et al。 (Division of Cardiothoracic Surgery、 Fujita Health University School of Medicine)、 General Thoracic and Cardiovascular Surgery 62巻9号 Page570-572より引用