外科

食道疾患

1.食道癌とは

 我が国で毎年2万人以上の方が食道がんにかかります。これは胃がんの約1/6です。男性に多く、喫煙、飲酒、熱い飲食物などの嗜好が関連するとされています。食事の時に胸の奥にしみる感じがしたり、つかえる感じで見つかることが多いのですが、この時は、進行していることが多く、早期のものは、内視鏡検査などで偶然発見されることがほとんどです。

2.食道癌の治療

 治療方法には、内視鏡的治療、放射線治療、化学療法(抗癌剤治療)、手術があり、必要に応じて複数の方法が組み合わされます。

また、陽子線、重粒子線(炭素イオン線)による治療に関しても、近隣に施設があり、粒子線治療も選択肢の一つとなっています(兵庫県粒子線治療センター:兵庫県たつの市新宮町)。当院の食道癌治療の特徴は、各専門職のチーム(食道外科専門医、内視鏡専門医、放射線治療専門医、麻酔科専門医、ICU、呼吸リハビリ、嚥下リハビリ、栄養サポートチーム、口腔ケアチーム、腫瘍専門看護師など)により治療がすすめられます。

各科が揃った総合病院でありますので、心疾患、脳疾患、肝疾患、腎疾患、肺疾患、糖尿病疾患等の他疾患を患っていらっしゃる食道がんの患者さんに対しても各科が相談・協力し、各々の患者さんにとってベストな治療を提供できるよう心がけています。

1)治療方針の決定

 専門医が進行度とリスク(全身状態、年齢等)の評価を行い、医学的根拠に基づいた各治療の有効性を患者さんに提示します。治療を成功させるためにも、患者さんが意欲を持って完遂できる治療選択が必須と考えます。セカンドオピニオンも応諾いたします。(月曜日:外科外来)

2)内視鏡治療

癌が、ごく表面にとどまっており、リンパ節に転移している可能性がない場合に行います。

3)放射線治療・化学療法・手術(鏡視下手術)

内視鏡治療で根治することが難しい場合が対象です。医学的根拠に基づいて、各患者さんの病態での治療の有効性を検討し、リスク、ご希望を踏まえて治療の組み合わせを決定します。
組み合わせとしては

  • 放射線療法+化学療法(放射線化学療法)
  • 放射線療法+化学療法+手術
  • 化学療法+手術
  • 粒子線治療
  • 放射線治療単独
  • 化学療法単独
  • 手術単独
  • があります。
    放射線治療・化学療法は、状況が整えば外来通院で行うことも可能です。

3.ご紹介いただく先生方へ

姫路赤十字病院は、日本食道学会食道手術実地研修プログラム参加施設、日本気管支食道科学会認定専門医研修施設に認定されております。個々のスタッフの研鑽に加え、各職種のチーム力、総合力の向上を目標に据え、高侵襲かつ複雑な食道がん治療のベストコースを追求し、提供できるよう努めております。

平成26年、姫路赤十字病院の食道がん手術症例は36例で、ほぼ全例、鏡視下手術でした。ハイボリュームセンターとして質の高いの食道がん治療を「兵庫県姫路市」で行えるよう努めております。食道がん手術に多いとされる縫合不全合併症は、N-IFA法(注1参照)導入以降、減少しました。また、呼吸器合併症は鏡視下手術導入以降減少しました。

当院の特徴は、患者さん各々に合わせたオーダーメイドの治療を、各専門職が責任を持ってチームで治療を行っている点です。精密検査、確定診断などは当院にても可能ですので、食道がんを疑う症状、所見があればご遠慮なくご相談ください。

注1)N-IFA
法 新しい血流検査方法。赤外線カメラを用いて、胃や大腸など、再建臓器の血流を術中に評価する方法。 The 11th World Congress of the ISDE (International Society for Diseases of the Esophagus) in Budapest, Hungary / Indocyanine green fluorescence angiography (IFA) in performing an anastomosis. Nobuhisa Tetsuji (Japan)

4.食道癌の手術実績(過去10年間)

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
10 7 20 19 24 24 12 22 35 36