放射線技術部

放射線治療

放射線治療について

悪性腫瘍の治療において、放射線治療は手術・化学療法とならんで3本柱の一つとして大きな役割を担っています。放射線治療はがん細胞に放射線を照射してがん細胞を死滅させる治療です。手術と同様に局所療法かつ根治療法と言えますが、手術と異なる点として病巣部の形態や機能を温存できる点が挙げられます。がんの初回治療として用いられるだけでなく、がんの再発に対しても有効な治療となる場合もあります。さらに症状の改善を狙う緩和目的の治療まで幅広い役割を担っています。放射線は細胞のDNAに直接作用してがん細胞が分裂して数を増加させる能力をなくしたり、細胞が自ら死んでいく過程であるアポトーシスという現象を増強したりしてがん細胞を死に至らしめます。がん細胞だけでなく周辺の正常細胞にも同じ作用をしますが正常細胞はがん細胞よりは障害が軽いと言われています。

リニアックについて

がんのかたまりとその周囲のがん細胞を死滅させるため、体外から皮膚を通して放射線を照射する外部放射線治療を行う装置で、がんの治療に必要な高エネルギーのX線や電子線を発生させます。最も一般的・基本的な放射線治療装置であり、脳から四肢まで、全身のあらゆる領域の病変の治療が可能です。2014年6月より更新された装置による治療を開始しております。この装置は画像誘導放射線治療(IGRT)といわれる新しい治療法に対応しています。

▲Clinac-iX:VARIAN社製

画像誘導放射線治療とは

画像誘導放射線治療(IGRT;image-guided radiotherapy)とは画像情報をもとに、治療患者さんの位置誤差を補正しながら正確に治療を行う技術です。小さながん腫瘍に放射線をあてる場合や正常組織にがん腫瘍が隣接している場合があるため、放射線をあてる位置決めが大切になります。当院のリニアックにはIGRTを行えるように、位置合わせ専用装置OBI(On Board Imager)が搭載されています。(下記写真○印)

OBIは治療寝台に寝ている患者さんの正面と側面のkV-X線画像を撮影することで、そのとき患者さんの寝ている位置を理想の場所へと移動させます。(遠隔操作により寝台を動かして位置の微調整を行います)またCT(Cone Beam CT;CBCT)を撮影することも可能でありkV-X線画像では見えにくい軟組織による位置合わせも可能です。この方法を用いれば、がん腫瘍以外の正常組織に放射線が当たるリスクが最小限になり、より安全な治療を行うことができます。

▲治療計画X線画像とOBIによるX線画像の位置合わせ(腰椎ファントム使用)

▲治療計画CT画像とCBCT画像の位置合わせ(腰椎ファントム使用)

放射線治療対象疾患

  • 上皮性悪性腫瘍(乳がん、肺がん、前立腺がん、食道がん、頭頸部がん、直腸がん、子宮がん、卵巣がん等)
  • 非上皮性悪性腫瘍(骨肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫等)
  • 造血器(白血病、リンパ腫、骨髄腫等)
  • 良性疾患(血管腫、バセドウ病、ケロイド等)