災害救護・国際活動

INTERNATIONAL RELIEF

CONTENTS

INFORMATION

  • 医療関係者の方

  • 採用情報

  • 研修医サイト

  • 看護部サイト

診療受付時間 午前 8:30〜11:00
休診日 土・日・祝日・創立記念日(5/1)
・年末年始(12/29~1/3)
面会時間 平日 14:00~16:00、
土・日・祝日 13:00~17:00

2017年:中東医療調査(パレスチナ・ガザ地区)

パレスチナは、「ヨルダン川西岸地区」と「ガザ地区」に分かれています。 1993年に交わされたオスロ合意に基づき、この2つの地区は「パレスチナ自治区」とされ、自治政府として存在しています。

2006年のパレスチナ自治政府の選挙では、それまでのPLO(対イスラエル穏健派「ファタハ」が中心)ではなく、「ハマス」(対イスラエル強硬派)が多数派となり、事実上ガザを支配するようになりました。これ以降、2009年と2014年にイスラエルからの大規模な軍事侵攻を受けています。

また、イスラエルは、ガザの封鎖を強化し、2008年には食料や燃料など生存に必要な物資も最低限しか搬入されなくなりました。人の出入りも制限され、現在ガザにいるパレスチナ人がガザの外に出ることは非常に難しくなっています。このため、パレスチナ人はガザのことを自ら、「巨大な牢獄」や、「天井のない牢屋」と呼んでいます。
人と物の出入りが制限されていることなどによって、ガザには次のような問題があります。

  • 燃料の不足による長時間の停電
  • 安全な水の確保が困難(地下水は海水が混じる)
  • 大気汚染
  • 高い失業率(全体で40%以上、若年者ではさらに高い)
  • 外に出られないという精神的苦痛と、病人をガザの外に搬送できない
  • 常にあるイスラエルの圧力と軍事侵攻への不安

パレスチナ難民には、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が様々な支援を行うと同時に赤十字を含む多くの政府やNGOが支援し約70年間もの難民としての暮らしをささえています。

その中でも重要な役割を担っているパレスチナ赤新月社から日本赤十字社に対して医療支援の要請がありました。昨年の初期調査の結果、ガザ地区及びレバノン共和国の病院が支援先の候補となり、より詳細な現状調査や事業計画策定、関係機関との調整を通して医療支援計画の作成が必要とされることから、今回4月7~26日、ガザ地区の2病院の医療調査を実施するために派遣となりました。今後、具体的な支援計画に入っていきますが、92の病院を有する日本赤十字社の強みを生かして全社体制での支援となり、今後の国際救援を担う要員育成の場にもなればと思います。