こどもの水腎症(腎盂尿管移行部狭窄)
腎盂尿管移行部狭窄とは?
おしっこは腎臓で作られて、腎盂(じんう)という部屋に集められ、そこから尿管を通って膀胱に貯められます。その腎盂と尿管の移行部が狭く通過障害を起こす状態です。腎盂内の圧が高まり、腎盂が拡張することを水腎症とよびます。最近では、妊娠中の超音波検査で見つかることも多いです。多くは無症状で、自然軽快することが多いです。しかし中には自然軽快せず、腎機能の低下を来す症例もあり、その場合外科治療を必要とします。
水腎症(腎盂の拡張の程度)によって、グレード I~IVに分けられます。
外科治療を考える場合
- 症状がある場合
-
無症状の場合
グレード3、4の水腎症で以下の場合
- 分腎機能が40%未満
- 分腎機能の5%以上低下する
- グレード4の水腎症が長期間
手術方法
手術(腎盂形成術)
尿管の狭い部分を切除してつなぎなおします。
手術は、体格によって開腹手術と腹腔鏡手術を選択できます。
手術時にステントというチューブを腎盂と膀胱の間に留置します。
ステントは、術後2か月頃に膀胱鏡で抜去します。
手術後も定期的に診察・検査を行っていきます。
術後に水腎症が改善するのには時間がかかります。