輸血検査
輸血とは
検体の取り違い・検査試薬の分注ミス・結果の転記ミス等のヒューマンエラーを防止する目的で、バーコードを用いた全自動の検査システムを導入し、24時間体制で輸血検査業務の研修を受けた臨床検査技師が対応しています。
代表的な輸血用血液製剤には次の3種類があります。
赤血球液(有効期間:採血後28日 2~6℃保存)
急性あるいは慢性の出血の治療及び貧血の急速な補正を必要とする患者さんに使用します。赤血球の役割は、酸素の運搬で、肺で酸素を受け取り全身の組織に酸素を供給します。そして、組織が排出した二酸化炭素を肺へ搬送します。
濃厚血小板(有効期間:採血後4日 20~24℃振盪保存)
血小板数の減少又は機能の異常により重篤な出血ないし出血が予測される病態に対して、止血を図り、出血を予防することを目的として使用します。
血小板の役割は、傷ついた血管にくっつき血管の穴をふさいで止血します。血小板が減少すると、出血が止まらなくなります。
新鮮凍結血漿(有効期間:採血後1年 -20℃以下で保存)
血漿因子の欠乏による病態の改善を目的に行う。
新鮮凍結血漿の役割は、凝固因子を補充することにより、血漿因子の欠乏による病態の改善をはかり、出血の予防や止血をします。
赤血球液
濃厚血小板
新鮮凍結血漿
血液管理室では次のような仕事をしています。
1.血液型検査
輸血に必要なABO血液型・Rh血液型の検査を行います。
2.輸血検査
1)不規則抗体検査
輸血副反応を起こす可能性のある抗体の有無を調べる検査を行います。
2)交差適合試験
患者さんと輸血用血液製剤の適合性を調べる検査を行います。
全自動輸血検査機器
3.血液製剤の保管と管理
血液管理室では、血液製剤の発注と入庫製剤の保管・管理と院内での血液製剤の供給を行います。血液製剤の入庫・出庫には、輸血管理システムを使用し、型間違い、製剤間違いなどの防止をしています。
赤血球保冷庫
血小板振盪機
FFP解凍器
4.自己血バックの管理と保管
自己血輸血は、待機的手術などで時間的に余裕のある患者さんが、予め自分の血液を貯血しておき、手術で輸血が必要になった場合に貯血した血液を使用する方法です。自分の血液を輸血するので、輸血後感染症や同種抗体による蕁麻疹・発熱等が起こりません。 血液管理室では、貯血した自己血バックを輸血管理システムに入庫し、温度管理された専用の保冷庫で保管・管理しています。自己血バックの出庫についても、輸血管理システムで行います。