微生物検査部門
当院の微生物検査部門は2名の専従スタッフ、1名の専任スタッフの計3名で業務をおこなっています。認定臨床微生物検査技師、感染制御認定臨床微生物検査技師および二級臨床検査士(微生物学)など専門的な資格を持った技師が少数精鋭で検査を担当しています。
微生物検査
培養検査の全依頼件数は年間約206,00件であり、一般細菌19,000件、抗酸菌1,600件といった内訳となっています。その他の培養検査として新生児科(NICU・GCU)の監視培養や入院患者の食事を調理する栄養課スタッフの検便検査や調理器具などの環境培養も実施しています。
遺伝子検査関連としてはLAMP(Loop-mediated Isothermal Amplification)法と核酸多項目同時検出検査であるFilmArray Torchシステムを導入し、LAMP法は結核菌群とSARS-CoV2の2項目、FilmArrayでは呼吸器パネル、髄膜炎・脳炎パネル、血液パネルを採用し、高感度でより詳細な原因微生物の特定が可能となっています。
血液培養陽性時の休日対応も実施しており、スタッフの理解と協力により、365日陽性報告が可能な状態を実現しています。
また、院内感染対策委員会、院内感染対策チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)などへ参加し、微生物分野の専門的な知見から、病院内における感染制御および抗菌薬適正使用に向けた役割を担っています。
鏡検
培養
顕微鏡 BX53
フロア型冷却遠心機
WalkAway 96plus
BACTEC FX
LoopAmpEXIA
FilmArray Torch
magLEAD12gC
LightCycler96
感染管理業務
微生物検査室が担う感染管理業務として、週報、月報、季報および菌種別薬剤感受性率(アンチバイオグラム)などの各統計資料の作成と報告をおこなっています。また感染管理の対象となる耐性菌のひとつである、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対しPOT(PCR-based ORF Typing)法を用いた分子疫学解析を実施し、得られた遺伝子型から水平伝播か否かの判定や感染経路の推定などに役立てています。
院内感染対策チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の活動として、ラウンドや定例会に参加し、耐性菌伝播や環境汚染の発生および不適切な抗菌薬使用がされていないかなど、日々監視を続けています。
システムおよび使用機器
システム | 名称 | 端末数 |
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感染症検査業務支援システム | SMILE | 3台 |
装置 | 名称 | 台数 |
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血液培養自動分析装置 | BACTEC FX | 2台 |
微生物感受性分析装置 | Walk Away 96 plus | 1台 |
リアルタイム濁度測定装置 | LoopampEXIA | 2台 |
全自動遺伝子解析装置 | FilmArray Torch | 1台(4モジュール) |
全自動核酸抽出システム | magLEAD12gC | 1台 |
リアルタイムPCR装置 | LightCycler96 | 1台 |