血液検査部門
当院は、2024年現在、兵庫県で唯一の認定血液検査技師・認定骨髄検査技師制度指定施設であり、認定取得を目指す技師育成の研修指導体制が整っています。白血病や悪性リンパ腫等の悪性疾患だけでなく、再生不良性貧血や、免疫性血小板減少性紫斑病などの良性疾患を含めた多くの症例を経験することが可能です。骨髄検査は穿刺が年間約600件、生検が約200件あり、それらすべての検体処理はもちろん、細胞の形態観察・分類を行い、造血器腫瘍細胞抗原検査、染色体、遺伝子検査等、他の検査結果も踏まえた総合的判断による所見用紙作成を技師が実施し病理医へと提出します。実務経験を通して症例についての理解を深めることができます。現在1名の認定血液・骨髄検査技師、2名の認定血液検査技師が在籍しており、今後さらに認定技師の人数を増やし、検査体制の基盤強化に努めていく予定です。
血液検査
末梢血液一般検査(CBC約600件/日、血液像約200件/日、ヘモグロビンA1c約100件/日、凝固線溶検査約350件/日)に加えて、骨髄検査関連業務を行っています。これらの業務について、血液検査部門のすべての技師が担当することにより、部門内での業務の偏りを解消しつつ技師一人一人のスキル向上を図り、業務補完体制を構築しています。
当院では症例が多彩であることから、幅広い知識が要求されます。中でも血液像や骨髄像などの形態検査については、知識だけでなく形態観察力が必要です。ディスカッション顕微鏡だけでなく、DI-60を用いて、デジタル画像による比較類推法を容易にするなど細胞形態の教育にも力を入れています。検査において判断に迷う場面に遭遇した場合には、他の技師や、病理医、臨床医に相談できる体制も整っているため、安心、安全に質の高い業務を行うことができます。
多目的自動血球分析装置(XN-9100)
塗抹標本作製装置(SP-50)
全自動血液凝固測定装置(CN-6000)
自動グリコへモグロビン分析計(HLC-723G11)
標本作製
血液像自動分析装置(DI-60)
レビュー端末での細胞分類
鏡検
ディスカッション顕微鏡での鏡検
細胞性免疫検査
フローサイトメータ-(DxFLEX)を用い、リンパ球サブセットや、T細胞・B細胞百分率などの細胞表面抗原検査を行っています。自動サンプル調整システム(CellMek SPS)により、前処理を自動化することで、業務効率をあげ、技師間差をなくしています。
また末梢血幹細胞採取時には、CD34定量結果を迅速に報告することで、造血幹細胞移植にも貢献しています。
2024年10月から、全血・骨髄液による造血器腫瘍表面抗原検査を院内化し、今後はリンパ節等、対象材料の拡大に向けて日々取り組んでいます。
自動サンプル調整システム(CellMek SPS)
フローサイトメーター(DXFLEX)
解析(Kaluza)
使用機器
装置 | 名称 | 台数 |
---|---|---|
多目的自動血球分析装置 | XN-9100(XN-20) | 1台(4台) |
塗抹標本作製装置 | SP-50 | 2台 |
検体並び替え装置 | TS-10 | 1台 |
血液像自動分析装置 | DI-60 | 1台 |
全自動血液凝固測定装置 | CN-6000 | 2台 |
自動サンプル調整システム | CellMek SPS | 1台 |
フローサイトメーター | DxFLEX | 1台 |
自動グリコへモグロビン分析計 | HLC-723G11 | 1台 |