看護学校からのお知らせ

  1. HOME
  2. 姫路赤十字看護専門学校だより
  3. 令和7年度卒業式 学校長式辞

令和7年度卒業式 学校長式辞

3月3日火曜日

卒業生の皆さん、本日はご卒業、誠におめでとうございます。
また、今日まで深い愛情をもって支えてこられたご家族の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。おめでとうございます。さらに、ご多忙の中ご臨席を賜りました,日本赤十字社副社長 鈴木俊彦様,はじめご来賓の皆様に厚く御礼申し上げます。

皆さんが本校に入学されたのは20234月。コロナ禍の余韻がなお残る中でのスタートでした。その後、社会は大きく動き、医療を取り巻く環境も刻々と変化しています。少子高齢化と人口減少は一層進み、地域医療構想は新たな段階に入り、医療DXAIの導入も現実のものとなりました。一方で、能登半島地震をはじめとする自然災害、世界各地で続く紛争や感染症の脅威など、医療者が向き合う課題はますます多様化しています。

そのような時代に、皆さんは看護師として第一歩を踏み出します。変化の大きな時代であるからこそ、問われるのは本質です。テクノロジーがどれほど進歩しても、医療の中心にいるのは「人」です。病を抱え、不安を抱え、希望を求める一人ひとりの人間です。看護とは、その人の身体だけでなく、心、生活、そして尊厳に寄り添う営みであることを、どうか忘れないでください。

先日閉幕した2026年の冬季オリンピックでは、国や文化の違いを超えて選手たちが互いを称え合う姿が世界に感動を与えました。例えば、スノーボードやフィギュアスケートの競技後に、ライバル同士が抱き合い健闘を讃え合う姿が何度も映し出されました。そこには勝敗を超えた友情、お互いの尊重、そして人間としてのつながりがありました。国境や立場を越えて「人」を尊重するその精神は、私たち赤十字が大切にしてきた「人道」の理念と深く響き合うものです。

赤十字の七原則の第一は「人道」です。苦しむ人の側に立ち、その命と尊厳を守ること。皆さんはこの三年間で、その理念を学び、実習を通して体験してきました。病室での静かな対話、手を握るぬくもり、何気ない声かけ。その一つひとつが、人の尊厳を守る行為であることを、皆さんはすでに知っています。

看護の現場は決して平坦ではありません。忙しさに追われ、自分の未熟さに悩み、心が折れそうになる日もあるかもしれません。しかし、思い出してください。皆さんは一人ではありません。同じ学び舎で励まし合った同期の仲間がいます。先輩がいます。指導してくださった先生方がいます。そしてご家族がいらっしゃいます。特に同期の仲間はこれからの皆さんの人生においてきっと大きな支えとなることは間違いないです。 どうかその縁を大切にしてください。

そして、プロフェッショナルとして忘れてはならないのは、学び続ける姿勢です。医療は日進月歩です。知識と技術を磨き続けること、それは患者さんの安全を守る原動力であり、自らの誇りでもあります。しかし同時に、笑顔を忘れないこと、相手の話を丁寧に聴くこと、その「基本」を疎かにしないでください。それらは寄り添う医療の大原則です。

私は皆さんに、十年後、二十年後の自分の姿を思い描いてほしいと思います。専門分野を極めているかもしれません。認定看護師、専門看護師や特定看護師として活躍している人もいるでしょう。あるいは、家庭を築きながら地域医療を支えているかもしれません。国際救援の現場に立っている人もいるでしょう。夢の形は一つではありません。途中で方向が変わることもあるでしょう。それでよいのです。大切なのは、自らの人生を主体的に歩むことです。

皆さんは姫路赤十字看護専門学校の卒業生となります。明治42年の創立以来、多くの先輩方が全国、そして世界で活躍してきました。その歴史の一ページに、今日から皆さんの名が刻まれます。誇りを持ってください。そして、その誇りにふさわしい行動を積み重ねてください。

最後に
看護とは「光」であると私は思います。暗闇の中で不安に震える人に、小さくとも確かな光を届ける存在。それが看護師だと思います。ナイチンゲールが手にした一灯のように、皆さん一人ひとりが、それぞれの現場で光を掲げてください。その光は、必ず誰かの希望となります。

若い皆さんの未来には無限の可能性があります。どうか健康に留意し、しなやかに、そして力強く歩んでください。皆さんの活躍を心から期待しています。

本日は誠におめでとうございます。 

学校長 岡田 裕之