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2023年度入職 Kさん

2023年度入職 Kさん

研修医にしてちょうど2年目の春を迎えたKです。

私は、「やってみたいことを思いついたら、まずやってみることのススメ」について書きたいと思います。

今回は、具体例として、趣味的な活動としてのCase reportを取り挙げてみます。

Case reportの出発点は、「新しいものを見つけたので皆に知ってもらおう」という気持ちのようです。とはいえ、「新しい」というのが我々研修医にとってなかなかの曲者です。何が正常なのか、何が典型的な症状・経過なのか、どこまでがわかっていてどこまでが未知なのか、我々にはさっぱりわからないからです(少なくともとも最初のうちは)。実際には、その場で調べようとはしますが、「チャンスの神様には前髪しかない」ため、構えていないと走り去っていきます。自分の担当する症例を通じて”Background question”は調べて勉強します。たまには、Up to Dateなどの二次情報源からはどうしてもわからない”Foreground question”にも出会ったりもします。そんな時は、むしろチャンスです。「何か新しいこと」が潜んでいるかもしれないからです。もちろん、単に自分の調べ方が悪いだけかもしれません(往々にしてあります)。でもひょっとすると、報告の価値がある原石が潜んでいるかもしれません。もしそうなら、しかるべき準備(発掘・研磨作業)をして学会で報告するのも良いでしょう。事情が許すなら、もうちょっと手間をかけて(鑑賞に耐える様にさらに磨きをかけて箱詰して)Case reportにして送り出すともっと楽しいと思います。PubMedで調べてヒットする雑誌に掲載しておけば、似た様な症例で困った世界中の人々の目に留まるからです。

研修の傍らCase reportも書いてみたい、という気持ちがある方、当院にはその気持ちを全面的に応援してくれる環境があります。当院で経験できる症例数・幅は実は豊かで、いろんな興味深い症例に出会います。Case reportを書く過程で、研修の1年目では接点が必ずしも多くはない病理や放射線の先生に質問したりして理解を深める機会ができるのも、役得です。学術集会での発表などを通じて知り合った院外の先生と意見交換しているうちに、1症例の報告を超えて、共同研究に発展することもあるかもしれません。

当院は、院長も、研修担当の先生も、各診療科の先生も、人事研修係の方も、「やってみたいこと」に対してとてもサポーティブです。やってみたいことは、勿論ひとそれぞれ異なるでしょう。私も他にもいろいろやってみたいことがあり、これまでもこれからも、いろいろと相談をさせてもらっています。もちろん、実現できたこともそうでなかったこともありました。みなさんも当院での研修を通じて、「研修医の本分」と「(趣味的な)やってみたいこと」との、ふたつながらの実現を是非、目指してください。当院の「傑出したサポート体制」とみなさんの「やってみたい気持ち」さえあれば、きっとできると思います。

ある先生から教えて頂いた言葉です。「タネは探して見つけるものではなくて,日々丁寧に見て落ちていることに気づくもの」である。この言葉を私は、心の中で反芻しつつ、日常診療における「おや!?」という内なる声に耳を澄ませて、好奇心と同行二人、引き続き楽しく研修をしていこうと思います!