看護学校からのお知らせ

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126回生入学式 学校長式辞

令和6年4月5日金曜日 126回生入学式

 本日は40名の新入学生の皆様、入学誠におめでとうございます。心から歓迎いたします。保護者の方々もお喜びのことと存じます。お祝いを申し上げます。

 また本日は年度初めの大変な時期にもかかわらずご臨席賜りました北窓隆子姫路市医監はじめご来賓の方々におかれましては誠に有難うございます。学生・職員を代表してお礼申し上げます。

 コロナ禍も収束して5年ぶりに全校生集まっての入学式です。少々窮屈ではありますが、おめでたいということがボリュームアップした感がございます。

さて、本校は明治42年創立の100年を越す歴史ある看護専門学校です。卒業生のみなさんは国内外で幅広く活躍されています。本日来賓としてお越しの2名の各赤十字病院の看護部長さんもみなさんの先輩です。また昨年は看護師として世界最高の栄誉であるフローレンス・ナイチンゲール記章を本校の卒業生である、姫路赤十字病院の高原看護副部長が受章されました。長年にわたる国内外の災害救援活動およびその指導が功績として認められたものです。雅子皇后陛下ご臨席の下での授与式は非常に厳かな感動的なものでした。20世紀初頭に制定されたものですがこれまでに本校から9名の受章者を輩出したことになります。

 そして身近なこととしては看護師国家試験では今回も含め17年連続全員合格を果たしています。

 

 みなさんは本校で学ぶにあたって、まず、赤十字社の看護専門学校で学ぶという自覚を持っていただきたいと思います。赤十字には最も大切にしている理念があります。人の道と書いて「人道」です。

 病気や障害、災害などに遭遇した人たちの苦しみを和らげ、どのような状況にあっても人間の命と健康と尊厳を守るために行動しようと努力し続けること、それが赤十字の「人道」の理念です。本校ではこの理念のもとに、みなさんが活動できるように育成しています。

 また、赤十字の大きな使命として国内外の災害救護があります。これまでも阪神淡路大震災、東日本大震災、そして今年元旦に起こった能登半島地震においても救護班を派遣しています。今回も数回に分けて医師、看護師、薬剤師、技士、事務職員の多職種からなるメンバーが救護班として、また現地の病院の看護業務をサポートする応援看護師として全部で41名の職員が現地に赴きました。看護業務のサポートには多くの看護師が志願し人選に苦労したぐらいです。赤十字の「人道」の教育の賜物ではないかと思います。

 国際救援も同様です。みなさんの先輩である当院の看護師が交代で派遣されています。

 さて先ほどのフローレンス・ナイチンゲールは様々な名言を遺しています。今回はその中のひとつをご紹介いたします。

You will be stepping back unless you keep improving. Raise your purpose high.

あなた方は進歩し続けない限りは後へ退いていることになるのです。目標を高く掲げなさい

勉強でも運動でもなんでもやめてしまうと、いつの間にか忘れたり、できなくなってしまいます。目標を高く掲げて常にそれに向かって進むことが大事ですということです。

 皆さんは自分はこうなりたい、こんな看護師になりたい、など色々な目標というか大きな夢を持ってください。そうすればそれを実現するためには何をしなくてはならないかということもわかってきます。

 例えば赤十字の看護専門学校に入ったのだから国際救援看護師になりたい。そのためには英語をしっかり学ばなければならない。国際情勢についてももっと知っておかなければならないなどやらなければならないことが次々と見えてきます。それに向かって進んでください。

 色々取り組んだ上で、それが自分には合ってないなとわかったら、新たな目標、夢を持ったら良いと思います。皆さんは若いですから方向変換もマイナーチェンジは十分可能です。

ただし、看護師になるというメジャーなことは変えないでくださいよ。お願いいたします。

 さて、看護師を目指すにあたってもうひとつ大事なことをお話しします。皆さんは「チーム医療」という言葉をご存じだと思います。現在の医療は進歩した分だけ複雑となり、医師だけ、看護師だけで成立するものではなく、医師、看護師、薬剤師、技士、栄養士、事務職の多職種のスタッフが自分達の得意とすることを十分に発揮しながら一人の患者さんの医療を行っていくことをさしています。当院ではこのチーム医療を重要視しています。

その実践のためには多職種スタッフの間のコミュニケーションが重要です。

また、もちろん患者さんとのコミュニケーションが大事であることは言うまでもありません。

 元々コミュニケーション力の優れた方はいらっしゃいます。そういう方はさらに磨きをかけていただきたいと思いますし、ちょっと苦手という方はしっかりと身につけていただきたいと思います。身につけると言ってもなかなか性格は変えられるものではなく、また何か特別なことをするというのではありませんが、看護師になるに当たって必要なことなんだという意識を持って日々行動してください。

 コミュニケーションの第一歩は朝の挨拶から始まります。姫路赤十字病院は口をきいたことのないスタッフの間でも廊下ですれ違うとき挨拶を交わします。おはようございます、お疲れ様です・・実に気持ちがいいです。姫路赤十字病院の優れた誇るべき文化です。

 みなさんも、まずは今日出会ったクラスメートたち、先輩たち、そして先生方、初めて顔を合わせた人たちが多いのではないかと思いますが、この出会いも人生において一つの縁というか運命的なものです。しっかり挨拶からスタートしてコミュニケーションを育んでください。学生時代からの知り合いというのは将来的にも非常に力強い心の支えになるものです。学生の本文である勉強は言うまでもありませんが、支え合える友達を作って、そしてその関係を大事にしてください。

 皆さんの年頃は多感で色々な悩みを抱えることもあるかもしれません。そういう時は一人で抱えこまずに友達そしてご家族に相談してください。それでもどうしても困った場合には遠慮なく先生に相談してください。副学校長の坂本先生はじめ先生方、事務スタッフの方々は、みなさん親身になってあなた方のことを考えてくださいます。どうぞ頼りにしてください。

 本校での生活が皆さんの人生においてかけがえのないものになることを願いご挨拶とさせていただきます。

 本日はおめでとうございます。

姫路赤十字看護専門学校

学校長 岡田裕之