第124回生戴帽式 学校長式辞
2022.11.01
一年生45名の皆様、戴帽おめでとうございます。
ご多忙中にも関わらず本校の戴帽式にご参列いただきました日本赤十字社兵庫県支部 大久保博章事務局長、並びに姫路市 北窓隆子医監には深く感謝申し上げます。誠に有難うございます。
さて、戴帽生の皆さん、入学して半年間、看護師にとって必要な、基礎的な学問や、人間性を養うための勉学に励んできたことと思います。一方で、自分は本当に看護師を天職として、これからの人生を歩んで行くのか、歩んで行けるのかと、そう何度も自問したことと思います。その中で本日この戴帽式は皆さんが看護師を目指すことの意識を高め、その責任の重さを自覚していただくためのセレモニーです。一つの区切りとして明日からに臨んでいただきたいと思います。
戴帽式のキャンドルは、ご存知のように、ナイチンゲールの故事にちなんだものです。
ナイチンゲールの実家はイギリスの貴族ですが、クリミア戦争の際には看護婦14人と共に従軍します。野戦病院で、ランプを持って夜回りを欠かさなかったといわれています。「クリミアの天使」と呼ばれることが多いナイチンゲールですが、この夜回りのために「ランプの貴婦人」とも呼ばれたそうです。
皆さんが受け取られるキャンドルの火はナイチンゲールから伝えられた「看護の光、看護の心の光」を受け継ぐことを意味しています。
同じく受け取られるキャップは現在では使われなくなってしまいました。キャップは院内感染リスクがあるとか、また日常の業務で患者さんに対して危険であるとかの理由によります。しかし、キャップは、看護師の象徴として長い間、世間一般に浸透しており、特別な意味を持っています。それは、天職としての看護師、という専門職を選んだ人の「証」だと思います。今日この時は、その意味をしっかりと噛み締めて身にまとってください。
さて、赤十字の看護師として人道・博愛の精神を持って患者さんに接することが大事なのはいうまでもありません。しかし、その思いだけでは看護はできません。看護師は専門職です。それを実践するためには知識と技術を身につけることが必要です。
医学、医療は日々進歩しています。また、医療の実践においては医師、看護師など多職種が集まってそれぞれの得意とするところいかんなく発揮して実践するチーム医療が重要になっています。そこにはコミュニケーション力が必要です。
皆さんのこれから2年半続く学生生活において、若い柔軟な知力と体力で人道・博愛の精神,知識・技術の習得、そしてコミュニケーション力など看護師となるための土台をしっかり築いてください。
期待しています。本日はおめでとうございます。
令和4年10月31日
姫路赤十字看護専門学校 学校長 岡田裕之