戴帽式式辞
2023.11.17
2023/10/27
一年生42名の皆様、戴帽おめでとうございます。
ご多忙中にも関わらず本校の戴帽式にご参列いただきましたご来賓の方々には深く感謝申し上げます。また,保護者の方々にもご参列いただきありがとうございます.戴帽生ともに喜びと感動を分かち合っていただきたいと思います.
さて、今年は姫路赤十字病院そして看護専門学校にとりまして大変おめでたいことがございました.姫路赤十字看護専門学校の先輩である高原美貴看護副部長が今回第49回フローレンス・ナイチンゲール記章を受章されたことです.長年にわたる国内,海外に派遣されての救援活動の功績などが評価されたものです.今回は世界22カ国37名の方が受章されました.日本赤十字社名誉総裁である皇后陛下雅子様ご臨席のもと行われた受章式は非常に厳粛なものでしたし,皆さんの先輩の2年生41名と3年生9名によって行われたキャンドルサービスも素晴らしく非常に感動的な式典でした.
このキャンドルサービスは看護のいろいろな場面で行われますが,ナイチンゲールが1本のキャンドルの灯を手に傷病者を見回ったことに由来があります.
そしてこの戴帽式におけるキャンドルサービスは看護の初心の心を忘れずにナイチンゲールから伝えられた「看護の光、看護の心の光」を受け継ぐことを意味しています.戴帽生はしっかりと受けとめていただきたいと思います.
皆さんは、入学して半年間、看護師にとって必要な、基礎的な学問や、人間性を養うための勉学に励んできたことと思います。そして前期試験も終わって少しホッとしているところではないかと思います.
私も「医療概論」の授業を受け持ち試験問題も作成しました.大部分は所謂マルティプルチョイスの選択問題でしたが,論述の問題を2題出題しました.全員合格です.
論述問題の一つは寝たきりの高齢者に対する胃瘻造設についてどう考えるか,
もう一つはチーム医療とは何か,知っていることを書きなさい.
チーム医療については皆さんよく知っててキーワードを外さずにしっかり回答されていました.
胃瘻の問題については賛成意見,反対意見,様々で,よく考えているなと大変興味深く読ませていただきました.
また,余談ですが,解答の中に岡田先生が授業中におっしゃいましたように・・・との
記述もいくつかあり,しっかり聴いていてくれたんだと大変嬉しく思いました.
さて,1年前の皆さんは果たして医療について解答していただいたような考えを持っていたでしょうか?大部分の人はそうではないと思います.やはりこの半年間医療を学んできた成長の証が解答に表れているのだと思いました.これも大変嬉しく思います.
これから2年半続く学生生活において、学ぶことはまだまだたくさんあると思います.
そしてそれらの積み重ねによって専門職である看護師へ一歩ずつ近づいていくのです.
皆さんの若い柔軟な知力と体力で人道・博愛の赤十字の精神,知識・技術の習得、
また、試験の解答ではありませんが,チーム医療に必要なコミュニケーション力を身につけてください。友達の輪を広げてください.特に同級生,同期というのは学生時代も卒業して看護師になってからも見えない何かで繋がっているものです.
また,みなさんの学生時代,青春時代には色々と困難なこと,苦労することに出くわすこともあるかと思いますが,少々のことではへこたれない強い心を養ってください.それは重症の患者さんを担当することもある看護師になってからも必要とされます.強い心といっても困って一人で支えきれない時は友人,家族,そして先生を頼ってください.一方で困っている友人がいたら相談にしっかりと相談に乗って上げてください.
皆さん全員で学生生活を心身ともに充実したものにしてください.
みなさんのこれからのさらなる成長を期待しています.本日はおめでとうございました.
学校長 岡田 裕之