反復すること
2020.06.28
学校の授業では今まで聞いたこともないような専門用語が飛び交います。
臨地実習に行くと多職種カンファレンス等でより多くの専門用語や略語に驚くことが多いと思います。
略語を使いこなすことが専門職としてかっこいいわけではないとご承知のことだと思います。
そこに集まるメンバーの背景を踏まえ、誰もがわかる言葉を使ってカンファレンスを展開し、皆が理解し一人ひとりが今後の自分たちの行動をイメージできたかどうかが大切です。
これをメンタルモデルの共有と言います。
しかし、なかなか覚えられない用語はどのように習得していくのか、脳科学的に考えると、反復しかないようです。
子どもの脳は微量な電流でも1回で無条件に覚えるCritical periodという何でも吸収する特別な期間があるようです。
5歳から7歳ぐらい?皆さんも覚えがありますか? 歌やダンス、楽器の演奏、ことばとか九九とか…
私もうちの子は天才なのかなと感動する時期がありました。今から思えば束の間でしたが…
ニューロンからシナプスが次のレセプターを通過するモデルに例えると、子どものレセプター(窓口)は広くてなんでも通すけれども、大人のレセプターは狭いので、何らかの電気刺激で化学物質を通すためには、狭い窓口をこじ開けるための反復が必要になってくるようです。
子どもの脳は単純暗記が得意です。しかし、大人の脳は、意味を成すことを論理的に覚えていきますので、メンタルモデルの共有の場はとても大切な機会だと考えます。
感情が動くとチャネルが動く、やっている最中に「楽しかった」、使った時に「嬉しかった」というような感情の動きにより大人の狭いレセプターを開くことができ、情報伝達が進み学習効果が上がるのですね。
感情の動きが「楽しみ」に繋がればモチベーションを高め、継続する秘訣となりますね。
患者さんの日常生活を楽しみに繋げて考えられるようになるためには、自分たちの日常生活行動の習得を同じように楽しみに繋げて組立てたうえでの反復が必要です。まず、自ら行動変容に挑戦して習得していきたいですね。