看護学校からのお知らせ

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令和4年度卒業式 学校長式辞

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

また、今日まで支えて来られたご家族の皆様にもお慶びを申し上げます。

そして、ご来賓の日本赤十字社兵庫県支部事務局長様、姫路市医師会事務局長様にはお忙しい中、

ご臨席を賜り、誠に有難うございます。

さて、卒業生皆さんの本校での学生生活3年間はコロナに始まり、コロナに終わるといった大変厳しい3年間だったと思います。

Webでの授業を余儀なくされたこともありましたし、実習も制限を受けました。

そして学校生活における楽しい行事や友達と会食したり、お茶したりして友情を育む場も制限されました。

通常の学生生活よりもストレスの多い日常を過ごされたと思いますが、全員が無事国家試験を受けることができました。

そして、皆さん自己採点の結果も良かったと伺っています。大変嬉しく思います。

去年の秋頃は少し感染の波も治まり、集団活動も少しずつできるようになりました。

手柄山での球技大会、皆さんと一緒にドッジボールをしたのも楽しい思い出です。

皆さんから若さとパワーをもらった気がいたしました。

一昨日、卒業を祝う会では、連想ゲームなどを一緒にやりました。

教職員の方々と学生とが世代を越えて一体感を持って楽しんでおられたのが印象的でした。

3年間皆さんを指導し、温かく見守ってこられた副校長先生はじめ教職員のみなさんもこの今までにない激動の3年間を振り返り

安堵されていることと思います。お疲れ様でした。有難うございました。

さて、皆さんは4月から多くの方は念願の看護師として医療現場での第一歩を踏み出すことになります。

そして進学される方もいらっしゃいます。それぞれの医療人としての目標に向かって、ライフステージに合わせて急ぐことなく

一歩ずつ歩んでいってほしいと思います。

これからの医療は少子高齢化、人口減少、地球環境変化による災害発生、新型コロナウイルスのような新興感染症の出現、等、

様々な危惧が待ち受けています。

一方で医療技術の進歩、新薬開発、ITやAIの導入などテクノロジーの進歩にも大きな期待が寄せられています。

これら大きな変化の時代にあっても、私たち医療人の本質は変わりません。

人の健康と生命を守ることに全力を注ぐことです。そして人や社会に貢献することを本文としてください。

皆さんは姫路赤十字看護専門学校の卒業生であることに大きな誇りを持ってください。

本校は1909年創立でこの長い歴史の中で多くの先輩看護師が生まれ全国各地で活躍されています。

また、国際救援も赤十字の大きな務めです。さまざまな国へ派遣されて活躍された先輩方もいらっしゃいます。

今回のトルコ・シリア地震においても日本赤十字社からの要請にも迅速に対応し、皆さんの先輩看護師2名の方がスタンバイしています。

一人は4月からシリアへの派遣が先日決定いたしました。

皆さんは3年間、医療、看護の学習だけでなく、赤十字の人道・博愛の精神も学んできたと思います。

その精神を持って患者さんに優しく寄り添う医療・看護を心掛けてください。

そこに必要なのはまずはコミュニケーション力です。

今まで以上に磨きをかけてください。そしてスマイルを忘れないようにしてください。

しかし、ただ、優しいだけ、コミュニケーション力、スマイルだけでは医療・看護は成立しません。

しっかりとした医療・看護を実践するためには自分自身の技量、スキルを上げることが必要です。

そのために学び続けることを心掛けてください。

そして健康には十分注意してください。自分が健康でないと患者さんの健康を守ることにも支障をきたします。

また、心の健康も大事にしてください。

そんな時に支えになるのは家族はもちろんですが、友人、先輩そして師匠とよべる人ではないかと思います。

これまでの友情をさらに育み、また新たな出会いを見つける努力をしてください。

最後に皆さん、それぞれ10年後はこうなりたいという自分の夢、目標を頭に描いてください。

夢ですから何を思い描いても自由です。そしてそれに向けてのベクトルを進めてください。

途中でのベクトルの方向変換も自由です。

目先のことに追われがちになりますが、そうしているうちにあっという間に10年経ってしまいます。

日々精いっぱい過ごすことに加えて長期的な皆さんのそれぞれの夢、目標に向かって楽しく充実した生活を過ごされることを

願っています。可能性に満ちた4月からの新しいスタートを楽しみにしましょう。頑張ってください。

本日は本当におめでとうございました。

 令和5年3月3日                           学校長 岡田 裕之