臨床研修部

地域医療研修

宮上病院 臨床研修部 仲嶋 健吾

初期研修医2年目の仲嶋です。生まれ育った姫路の地で研修できることの喜びを胸に、日々研修を頑張っています。 6月は生まれ育っていない徳之島の地で地域研修をさせていただきました。徳之島は鹿児島県奄美諸島の最南端に位置し、姫路市からはおよそ1000km離れた南の島です。人口は3万人弱、名物は闘牛です。島内の牛の数がおよそ500頭だそうですので、60人のうち1人は牛を飼っている計算にくらい盛んに牛が飼育されています。島内には焼肉屋さんも多く、少し悲しい気持ちになりながらおいしい焼肉を食べることができます。

離島では本土と違って医療資源に制限があることが多く、ここ徳之島も人員、設備、物資すべての面で恵まれているとは言えません。研修先の宮上病院には常勤の医師が6名おられますが、それぞれ専門が一般内科、消化器内科、救急の先生方であり、その他の専門科については他の病院に行くか、船か飛行機で本土に行くか、週に一度非常勤の先生がいらっしゃるときを待つしかありません。そういった中でスタッフの皆さんは、日々徳之島の住民のために粉骨砕身して働いておられました。

ぼくも島の医療の一助になれればと、短い間ながら外来・訪問診療・病床管理それぞれに仕事を任せていただきました。仕事をする中で印象深かった患者さんの一言を紹介します。

「新しい先生かね?おぼらだれん、おぼらだれん。なるべく長くおってくださいね。」

「おぼらだれん」とは「ありがとう」の意味。診察をして、定期薬を処方しただけの僕にまっすぐに感謝の気持ちをくださったことにこちらこそ感謝した気分でした。そして「なるべく長く」の言葉の中からはこの島の医療需要が供給を上回っていることを感じさせてくれたのでした。たった2週間で帰ってしまうことを残念に、申し訳なく思ってしまう瞬間でした。

続いて、訪問診療の一コマをお見せします。一日に4-5件、通院が難しい患者さんのもとに訪ねて行ってこうして診療をしています。

実践ばかりでもなく教育面でも、島民から「神様」と呼ばれ尊敬されている院長先生をはじめとしてアフガニスタンでのボランティア経験のある先生やへき地医療専門医であるRural Generalist(RG)を目指しておられる先生など、様々な先生から知識面・手技面の両方でご指導いただき、濃密な時間を過ごすことができました。先生方とおいしい島料理を食べながらへき地医療について語り合ったことは大切な思い出です。

徳之島での2週間は仕事に遊びにたいへん充実した2週間となりました。この地域研修は今後の医師としての人生の道筋を決めるにあたって新しい風をもたらしてくれたと思います。かけがえのない研修の機会をくださった宮上病院の皆様、そして当院の研修担当の先生方にあらためてお礼申しあげます。当院では地域研修ももちろん、濃密で素敵な2年間が待っています。この記事を読んでくださっている医学生の皆さんや、医学を志している皆さん、卒業された暁には当院での研修をしてみませんか?ぜひ一緒に成長していきましょう!

雲南市立病院 臨床研修部 水川 薫

左から、笠先生、森脇先生、水川、服部先生

はじめまして。姫路赤十字病院初期研修医の水川と申します。

この度は地域研修プログラムの一環として、島根県雲南市にある雲南市立病院にて2週間の研修をさせていただきました。その体験談を述べさせていただきたいと思います。

病院のある雲南市は、島根県の東部、松江市の南にあります。地域の多くは林野部であり、高齢化率も高い地域です。雲南市立病院はその雲南市と周辺部、合わせて約6万人の医療圏を支えています。
病院は一般病床が160床、地域包括ケア病床43床、感染症病床4床、回復期リハビリテーション病床30床、介護療養病床48床で計281床あります。地域の中核病院であり、様々な患者さんが来られるため症例も豊富です。

研修医は内科と外科を中心にして構成されている「地域総合診療科」でお世話になります。1日のスケジュールとしては、まず毎朝カンファレンスがあって前日入院した人や問題症例について議論します。その後は基本的には救急外来で初診を診させていただくことになります。困ったことがあれば各先生方に相談できますし、安心して診療できます。救急外来で診た患者さんが入院となったときはそのまま担当医として入院管理もします。期間中には当直も経験させていただきました。

雲南市立病院は地域との関わりを重要視しており、出前講座など地域住民と触れ合う機会を数多く主催しています。地域研修プログラムでは、地域住民の生活を知る「地域暮らし体験」をさせていただけます。地域住民の協力のもと、サロンで血圧測定をしたり、農作業体験をさせていただく機会があります。自分も蒟蒻芋の植え付けを体験させていただきました。普段体験したことのない農作業の大変さや、農業従事者の整形外科疾患が多いという地域の特徴を肌で感じることが出来ました。

雲南市では病院のスタッフの方々はもちろん、地域住民の方々も親切な方ばかりでした。

皆様の協力のおかげで非常に有意義な2週間が過ごせたと思います。

1週目
カンファ カンファ カンファ カンファ カンファ
午前 オリエンテーション 救急外来病棟 救急外来病棟 救急外来病棟 救急外来病棟
午後 救急外来病棟 救急外来病棟 救急外来病棟 救急外来病棟 救急外来病棟
夕以降 勉強会     当直  
2週目
カンファ カンファ カンファ カンファ カンファ
午前 救急外来病棟 救急外来病棟 救急外来病棟 救急外来病棟 救急外来病棟
午後 地域暮らし体験 救急外来病棟 手術 救急外来病棟 救急外来病棟
夕以降 勉強会        

宮上病院 臨床研修部 皮居 巧嗣

はじめまして。研修医2年目の皮居と申します。私は姫路赤十字病院で研修医として日々勉強しています。

当院では今年度から地域研修プログラムの一環で、島根県にある雲南市立病院と、鹿児島県にある宮上病院の2つの病院のどちらかで、2週間の地域研修をさせて頂くことになりました。私は5月8日から5月19日まで宮上病院で研修をしてきました。

まず、宮上病院ですが、鹿児島県大島郡徳之島町というところにあります。徳之島は奄美群島に属する離島の1つで人口約27,000人の島です。鹿児島県に属してはいますが、沖縄本島の方が距離的にも近く、亜熱帯性気候であり、瀬戸内式気候とはかなり違っています。住んでいる生物も見たことが無いような生き物が多く、今まで南国の島で暮らしたことの無かった私は、期待半分、不安半分で研修に臨みました。

病院としては午前・午後の外来診療に加え、42床の病床を持っているため、入院管理も行っています。関連施設として介護老人保健施設と特別養護老人ホームがあり、また、自力では病院に来ることができない方や、自宅での看取りを希望された方などに対して、訪問診療も行っています。

研修生活は朝の医局ミーティングから始まります。そこで、その日一日の大まかなスケジュールが立てられます(例:午前-外来、午後-訪問診療)。入院患者さんを担当した場合は、入院対応も行っていきます。また救急搬送もあるため、救急対応のファーストタッチもさせてもらえました。診療に関しでも、救急専門医が院長先生含め、3人在籍していらっしゃるので、救急専門医が在籍していない当院とは違った経験ができました。また、わからないこと、困ったことなど、何か一人では対処しきれない症例は、先生方に相談することで、熱心に指導していただき、その都度解決できました。土日は専門外来を設けており、提携している鹿児島大学から各診療科の先生が来られているので、入院患者さんで何か専門的なことで困ったときは相談させてもらうこともできました。設備に関しては、レントゲン・エコーはもちろんのこと、CT、MRIもあるため、困ることはありませんでした。

2週間という短い期間ではありましたが、先生方の優しく熱心な指導や、他のスタッフさんの、島ならでは!?の温かい歓迎により楽しく、そして名残惜しい充実した研修生活を送ることができました。