今月のドクター

 姫路赤十字病院の内科には、様々な分野の専門医が揃っています。しかし時には、病気の正体がはっきりしなかったり、どの専門科に行けばいいのか判らないことがあります。一方で、65歳以上の日本住民の60%以上は複数の慢性疾患を抱えており(マルチモビリティー)、健康問題の中心となる病気を突き止めにくく、診断も難しいことがあります。そのような患者をひとまず引き受けて診察し、その病気の正体に迫り、専門医に橋渡しをしているのが総合内科です。医療の専門性の壁の中で、患者が右往左往しなくてすむように、問題点を整理し、解決への道筋を見出し導くのです。臓器を限定せずに全身を診る包括性(comprehensiveness)、他の専門職や社会資源とつながる協調性(coordination) が、総合内科の理念です。

 私は長い間、主に肝臓病患者を担当してきましたが、総合内科的な診療マインドを持つ必要性を日々感じておりました。そして2020年に総合内科部長に任命されました。これからは専門分野として総合内科を選択する研修医も増えて来ると考えられます。研修医教育も総合内科の重要な任務です。総合内科では、様々な患者の初期対応について、臨床推論を重視したカンファレンスを行っています。そして研修医がつまずきやすいポイントを踏まえた、内科ERマニュアルも作成しました。総合内科が姫路赤十字病院の重要な一部門に発展していくように、礎を築いていきたいと考えています。御指導の程、よろしくお願い申し上げます。

内科 総合内科部長 森井 和彦

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