院長徒然日記

院長徒然日記

No.211 不都合を活かす

 コロナワクチン接種がようやく本格的に始まってきました。これまで医療従事者からスタートしましたが、決してスムーズであったとは言えません。わたしたちの病院へ予定通りワクチンは届かず、最初の予定より大幅に遅れています。予定外なことはよくあり、このこと自体大きな問題とは考えません。何故予定通り物事が進まないかの情報がないことが問題なのです。

 高齢者ワクチン予約でも不都合が生じています。またワクチン接種記録システム(VRS)でもデジタル化されていると思いきやそうでもなく、現場では手作業による煩雑さが生じています。行政の方々も大変な作業をされているものと思います。

 『組織の文化を変える』この言葉をよく耳にします。これは組織のリーダーは常に取り組んでいることの一つです。わたしもその一人として『病院の文化を変える』を目標に様々なことを行っているのが現状です。その取り組み方は人それぞれであり、わたしは『組織が変わった』を重要視しています。“を“ではなく“が”です。わたしはこの点にこだわっており、何故ならある組織を観察したとき、目に入ってくる光景は組織ではなく、人の動きです。行動の変化を見て組織が変わったと判断しているからです。回りくどいことを書きましたが、人の動きを変えることにより、結果として組織文化が変わると信じています。

 コロナワクチン接種のシステムに関して不都合なことが生じました。同じように病院運営でも不都合なことは数限りなく生じています。その中からどの不都合から改善すれば、住民にもまた職員にも望ましいより良い状況が生まれるか優先順位を付け取り組んでいます。改善のためにはシステムのみならず人の動きも当然より良いものに変えねばなりません。この改善行動を繰り返し続けること、さらには多くの人と共通認識を抱くことができれば、結果として病院文化が変わるのです。

 日々経験する不都合をPinchではなくChanceととらえ、病院文化が変わる一つの手がかりとしています。組織の文化は一夜にて出来上がるものでもなく、変化するものでもありません。

2021年 5月 24日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三