院長徒然日記

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No.206 看護専門学校卒業生への特別なメッセージ

 本日3月5日姫路看護専門学校の卒業式を行いました。わたしは学校の校長を兼務しており、例年卒業生に校長として挨拶をしますが、今年の卒業生に対しては特別な思いがあり、挨拶の内容をどうするか考えさせられました。

 普段の卒業式では、多くのご父兄、来賓者、関係者をお迎えし、在校生全員の見守る中で盛大に行い、式が終わると華やかな謝恩祭が行われるのですが、新型コロナウイルス感染症対策として、昨年の式からは、参列者は卒業生、教職員と一部の関係者のみで行うようになっています。

 丁度1年前の3月5日は新型コロナウイルスに姫路市で最初に感染した患者さんを病院で入院受け入れしたその日に当たります。この日を境に病院の体制はそれ以前とは全く異なった状況となりました。わたしたちにとってコロナ対策は現実となりました。
このことは病院のみならず看護学校でも同様でした。本来看護師は患者に寄り添うことが基本であり、学生に対する教育でもこの姿を当たり前として指導してきました。しかし本来の教育がこの日を境としてがらりと様相が変わりました。三密を避けるために病院内で患者さんに直接接しての教育を見直す必要性に迫られました。座学はオンライン形式で行い、実習は医療用シュミレーターによる研修に切り替えました。これまでの様に患者さんと直接接しながらの実習には制限が加わりました。またオンラインはそれぞれの自宅で行いますので、学生同士が集まり日常の話しをするといったいわゆる学校生活が制限を受けることになりました。これまでに経験したことないことですので、学生たちは当然戸惑いましたし、教師たちもどの様に行って良いか試行錯誤の上に教育する状態でした。この様な状況の中でも学生、教師は最善を尽くし本日の卒業を迎えることが出来ました。

 現場の苦労を知っているがために卒業式での挨拶に何を述べるか考えさせられました。色々考えた末、「新型コロナウイルス感染症の様な出来事を経験することはめったにないことである。これをネガティブに捉えるべきではなく、ポジティブに捉えるべきである。これから医療職を担うものにとって、またとない経験をすることが出来ている。コロナ禍により、社会はこれまでとは全く異なる社会となる。医療界も同様になる。まさに転換期を経験している。これからの医療界を担うのは本日卒業する若い君たちが主役をなす。」といった趣旨の挨拶としました。卒業式の挨拶としては少しふさわしくない内容であったかもしれませんが、若者に期待を込めたメッセージとしました。

「卒業おめでとうございます。」

2021年 3月 5日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三