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令和3年度入学式 学校長式辞

DSC_6856本日は40名の新入学生の皆様、入学、誠におめでとうございます。心から歓迎いたします。

本日はご参列されておられませんが、保護者の皆様も、さぞお喜びのことと思います。お祝いを申し上げます。

平時であれば華やかに入学式を執り行うのでありますが、コロナ禍の状況下ですので安全を第一と考え本日の形式とさせていただきました。ご理解のほどお願いします。尚、式典の様子はビデオ録画されており、保護者の方にも観ていただけるようにしております。

また、本日は年度初めの大変な時期にもかかわらず、兵庫県支部局長にご列席いただいています。誠に有難うございます。学生・教職員を代表してお礼申し上げます。

 

人数を制限した入学式にあたり、皆様にどのようなメッセージを送ろうかと考えました。

赤十字のシンボルの一つであるこの災害救護活動時の赤い救護服でお迎えすることにしました。これから看護師を目指して学ぶことになりますが、赤十字社の看護専門学校で学ぶという自覚を持っていただきたい願いをこめています。

赤十字には基本7原則がありまして、この7原則を基にして、その上で看護学を教育しています。7原則とは人道、公平、中立、独立、奉仕、単一そして世界性です。そのなかでも人道を最も大切にしています。「人間の生命は尊重されなければならないし、苦しんでいる者は、敵味方の別なく救われなければならない」という意味です。学校生活の中でこの事を学んでいただければと思います。この人道の考え方は、皆様のこれからの人生の中で、特に看護師として仕事をする上で如何に大切であるかきっと理解する時がくると思います。

 

皆様は看護師を目指されていますので看護師の祖と言われるフローレンス・ナイチンゲールについて一つのエピソードを紹介します。クリミア戦争の悲惨さを客観的に観察し、病院内の不衛生等蔓延する感染症対策に重きを置き、従軍兵の死亡率の低下に貢献しています。統計に基づく医療衛生改革に取り組んだことでも知られています。

 

コロナ禍は、あえて言うならば、私たち医療従事者にとって一生の間ほとんど経験することのない貴重な事態の真只中にいると言えます。

ナイチンゲールに見習って、今世界で起こっていることをしっかりと観察し、評価検証していただければと思います。コロナ禍において人はどのように行動したか、国はどのような対策をしたか、また世界はどのような関係になったかを、しっかりと見届けてくださることを願います。また医療現場ではどう対処したか、患者はどのような行動をしたかを、見届けていただきたい。

 

新型コロナウイルス感染症をネガティブに考えがちですが、このような経験をすることは極めてまれなことです。ポジティブに考えましょう。コロナが収束すると以前の社会には戻ることなく、異なった社会になるといわれています。現在経験していることを若い君たちは是非とも活かしていただきたいと思います。

 

平時の入学式であれば看護師は如何に住民にとって重要な役割を為すか、如何に住民から期待されているか、看護師として心がけることなどをお話しするのですが、今回は世界中が大変な状況ですので少し硬い話としました。

本日はご入学誠におめでとうございます。

学校長の挨拶とします。

                         令和3年4月6日

                           姫路赤十字看護専門学校

                               学校長 佐藤 四三