看護学校からのお知らせ

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今日は何の日?

今日は何の日かご存知ですか?

 

緒方洪庵は幕末に当時、まん延した天然痘感染症と闘っていたというお話から始めますね。

発症すると高熱が出て化膿(かのう)性発疹が起こり、致死率も高い。この状況で、洪庵は英国のジェンナーが開発した牛痘苗をワクチンに使う予防法をいち早く取り入れ、正確な情報を発信しつつスピード感をもって普及に努めたそうです。

 

約170年前、洪庵は天然痘予防のため、牛の感染症である牛痘の膿(うみ)を種痘に使う安全性の高い予防接種の普及に奔走し、除痘館を開設して子供の腕から腕へと牛痘苗の植え継ぎを行ったのですね。

 

ところが最初は、「種痘をすると牛になる」「小児の身体に害がある」といった風評が広まり、最初の数年はまったく信用されず子供が集まらず、漢方医からの妨害にあったようですが、洪庵はくじけず、粘り強く正しい情報の発信を続けたそうです。

 

洪庵は、「多くの蘭医書を読み、正しい知識を基に正しいことをしている信念があった。営利を目的とせず、貧しい人からお金をとらない。『医は仁術』を実践し、門下生の福沢諭吉は『温厚篤実』な人と評した」と紹介されています。

 

こうした洪庵の人柄もあって除痘館の事業は徐々に軌道に乗り、全国に先駆ける結果となったのですね。

 

そして、適塾の塾生のネットワークにより、分苗所の数は49年11月からたった5カ月で近畿など西日本を中心に64カ所に迅速に展開することができたそうです。

 

洪庵の活躍は58年にコレラが流行した時も目覚ましく、複数の蘭医書を参考にたった5~6日で「虎狼痢治準(ころりちじゅん)」を著し医師約100人に無料配布したんだそうです。

 

治療薬のキニーネは感染初期に使うべきだという具体的な記述もあり、ここでも正しい情報の発信とスピード感のある対応に徹していたのですね。

 

きょう14日は「種痘記念日」で、ジェンナーが牛痘種痘の接種に成功した日なのですね。

 

ワクチンという言葉もラテン語の雌牛(vacca)が由来ですが、新型コロナのワクチンについては海外勢だけでなく、適塾の流れをくむ大阪大学や阪大発創薬ベンチャーなどが開発に動き出しているそうですよ。     

 

―日本経済新聞より抜粋

 

新型コロナウイルスに苦しむ現在の日本は、緒方洪庵の闘いから学ぶことは多いのかもしれませんね。

 

一日も早いPCR検査の実施とワクチン接種開始を期待します。