乳腺外科

Triple negative乳がんは1種類ではない Vol. 6

Basal-Like-2タイプ乳がん

(Presented By Antoinette Tan at 2015 ASCO Annual Meeting)

2015年のASCOでの発表をもとにして、2017年の最新の研究結果にまで触れつつ、TN乳がんの解説を行いました。
ここでは最後のスライドを参照しますが、6つのがんに対して、病理医が観察した際にどのような特徴があり(HISTOLOGY)、さらにその遺伝子を調べればどのような異常があり(GENE EXPRESSION)、そしてそのがんが再発すればどのような遺伝子が誘発されており(RECURRENT GENE ALTERATIONS)、最後の段でそれらを標的にしてどのような治療が有望なのか(TARGETTED THERAPY)を示した。ここで示された薬剤はすでに臨床試験が始まっています。PARP阻害剤は有効性が証明され、実際に臨床応用が目の前です。少なくともTN乳がんであり、これら6つの特徴のうち一つに当てはまるならその治療法を医師ならば試してみたいし、患者さんも受けてみたいでしょう。
ただ現実はそれほど単純ではありません。たとえばIMにはBRCA異常はないのか?実はBasal-Like-1 TN乳がんはその多くがIMの特徴を有します。それでいてIMでBRCAが異常なのは10%前後です。TN乳がんがもし転移し、再発したなら、M、MSLの性質を持っているはずであることも述べました。これらはきちんと分かれるようで分かれていません。重なり合って混在しているのです。
2015年から2年たった今でもTN乳がんは乳がん治療の大きな課題です。そのことがTN乳がんはそれほど単純ではなく、またここで示された対応する治療をすれば根治するわけではないことも示しています。TN乳がんは1種類ではないことが示され、混在するものをきちんと分類し、もっとも効率よくがん細胞を叩けるように、今後の研究の方向性が示された、その段階と言えるでしょう。

  1. Lehmann BD, Bauer JA, Chen X, Sanders ME, Chakravarthy AB, Shyr Y, et al. Identification of human triple-negative breast cancer subtypes and preclinical models for selection of targeted therapies. J Clin Invest. 2011; 121: 2750-67.
  2. Rini BI. Temsirolimus, an inhibitor of mammalian target of rapamycin. Clin Cancer Res. 2008; 14: 1286-90.
  3. Yunokawa M, Koizumi F, Kitamura Y, Katanasaka Y, Okamoto N, Kodaira M, et al. Efficacy of everolimus, a novel mTOR inhibitor, against basal-like triple-negative breast cancer cells. Cancer Sci. 2012; 103: 1665-71.
  4. Larue L, Bellacosa A. Epithelial-mesenchymal transition in development and cancer: role of phosphatidylinositol 3' kinase/AKT pathways. Oncogene. 2005; 24: 7443-54.
  5. Tseng JH, Bisogna M, Hoang LN, Olvera N, Rodriguez-Aguayo C, Lopez-Berestein G, et al. miR-200c-driven Mesenchymal-To-Epithelial Transition is a Therapeutic Target in Uterine Carcinosarcomas. Sci Rep. 2017; 7: 3614.

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