乳腺外科

健診を受ける重要性

今年の国立がんセンターの発表から H23/8/1

国立がん研究センターが全国のガン拠点病院から集めたデータを集計して発表しました。ガン拠点ではデータの報告がほぼ義務付けられていますので、かなり正確なデータが出てきていると言えそうです。さらに今後はいろいろな視点から、タイムリーな報告が出てくると思います。 今回の発表では、地域別、施設別での比較が可能な点が特徴的です。5大ガンすべてのデータが公表されており、検討できますが、ここでは乳癌に絞って検討してみました。 全国と比較して兵庫県では健診で発見されて医療機関を受診する乳がんの患者さんの割合は低いとわかりました。そのことと裏表ではありますが、進行して見つかる割合も全国よりも高いようです。健診の重要性が改めてわかります。

H23年7月25日、国立がん研究センターは都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会で、施設別の院内がん登録の「2008年全国集計」を公表しました。施設別のデータ公表は初めてです。

今回は第1回の集計になるのですが、都道府県別のデータでした。 公表されたのは、がんの種類別患者数、5大がんの治療法別(手術、薬物療法、放射線療法など)の患者数など(患者数が10人以下の集計値は、未公表)になります。いずれも地域、あるいは施設別の実績に、大きな開きがあることが明らかになりました。2009年11月時点でがん診療連携拠点病院として指定されていた377施設のうち、359施設がデータ提出、うち355施設が公表に同意しています。359施設の症例数は、42万8196症例、全国の年間がん患者総数の約6割に当たります。

詳細は国立がんセンターのHPに載っています(http://ganjoho.jp/professional/statistics/hosp_c_registry.html)。集計においては、登録対象が自施設を初診で受診した症例だけであったり、他施設で開始された継続治療などの情報が含まれなかったり、という院内がん登録上のルールの制限があります。実際の診療に用いられている病期と異なる国際的病期で集計されている点、治療についても未治療である状況で初診された場合の初回治療のみ(経過中の全治療ではありません)が集計されているなど、拠点病院の実態(どんな治療が何件されているか、など)そのものを表しているわけではない点にも注意するよう注意書きがあります。

▼乳癌に関して

◆来院経路 (何をきっかけにガン拠点病院を受診したか?)

  総数
自主 8239 20.1
他院紹介 26746 65.2
癌検診 2451 6.0
健康診断 295 0.7
人間ドック 391 1.0
経過観察 2573 6.3
剖検 0 0
その他 247 0.6
不明 103 0.3
合計 41045

検診で異常ありとされ、他院を受診されて紹介になった患者さんもあるのでしょうが、やはり検診、ドックで見つかった方はいまだに少ないようです。

◆これを都道府県別に見てみます。

  自主 他施設から紹介 健診・ガン検診・人間ドック 経過観察中偶然 その他 不明
全国 10.2% 60.7% 15.7% 12.6% 0.7% 0.1%
兵庫県 10.0% 65.9% 9.7% 13.3% 1.1% 0%
東京都 6.2% 61.7% 18.7% 12.9% 0.% 0%

全国平均と比較しても、兵庫県では健診発見は比率が少ないようです。受診率もそこから推して想像すると決して良い成績ではないでしょう。


◆どの段階で見つかっているのか

検診が盛んな地域では早期にガンが見つかる傾向があり、受診率が低い地域では進行がんで見つかるケースが増えます。 兵庫県は全国平均と比較してどうなのでしょうか?

 

0期 I期 II期 III期 IV期 不明

全国

10.8% 40.2% 34.3% 7.7% 4.2% 2.7%

兵庫県

9.4% 34.9% 38.0% 8.3% 4.7% 4.8%

東京都

15.7% 36.3% 35.9% 6.7% 3.2% 2.1%

当然ですが、兵庫県では発見された時、すでに病期がⅡ、Ⅲ期と進んでいる割合が、全国と比較して高くなっています。

健診をきちんとうける重要性が改めて示唆される結果になりました。