乳腺外科

2016年までの5年無再発生存率データ(DFS)

2016年12月現在の姫路赤十字病院 乳腺外科 5年無再発生存率の算定が終わりましたので、HPにて公表します。

2016年12月現在の5年無発生存率グラフ

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(SPSS Ver14.0)

Stage I 95.7% (5年前94.0%) Stage II 87.5% (86.8%) Stage III 73.3% (78.6%)

Disease Free Survival (DFS)は5年間、無再発でおられる方の割合(%)を示します。ここで繰り返しますが、例えばStage Iでは95.7%の方が再発なしで元気でおられるということです。逆に4.3%の方は再発しておられることになりますが、亡くなったわけではありません。たとえ不幸にして再発があっても乳癌は数年単位で元気で生活できます。
なおこのデータは術前化学治療をして、Down Stage に成功した人(来られた時は進行がんであっても、化学治療でよくなったためにより早期に分類されるようになった)方も、来院された時のStageで計算しています。
※Stage IVは最初から何らかの遠隔転移を持たれている方になりますので、本来再発の概念から外れます。このためここでは白で表示していません。
5年前と比較してStage I IIで成績が上がりましたが、残念なことにStage IIIでは下がってしまいました。この5年間で検診が盛んになったために早期で発見される症例が増えましたが、逆に進行して見つかる方では、相対的に進行が早いタイプ(トリプルネガティブやHER2リッチ症例)の比率が増えており、その分成績が悪くなったことが推察されます。こうした悪性度の高い乳癌にどう対応していくかが今後の課題です。

ちなみにそのTriple negative(トリプルネガティブ)乳がんの方の5年間無再発生存率を下に示します。

Triple negative(トリプルネガティブ)乳がん5年間無再発生存率

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(SPSS Ver14.0)

Stage I 90.3% Stage II 86.6% Stage III 41.4%

そのすべてで成績は不良ですが、Stage I~IIまでであれば、全体と比較してもそれほど差はありません。ところがStage IIIの進行ガンになれば73.3%が41.4%まで下がる。つまり再発率でみれば26.7%が58.6%とほぼ倍になることがわかります。こうした悪性度の高いガンであるほど、早期発見が非常に重要で、逆に早期発見されれば、通常の乳がんとなんら変わることのない成績が期待できることもわかります。

治療成績から読み取れること

▼無再発生存率(=DFS)

無再発生存率とは再発せずに生きている確率を表します。上の図は当院の5年無再発生存率を表しています。乳がんは他部位のがんと比較して比較的予後がよい癌なので、5年以内に亡くなることは稀です。そこで10年無再発生存率(10年間無再発で生きていられる確率)を指標とするのが最も正確に成績を表すとされています。しかし10年間も追跡調査を行うことは大変な労力が必要です。医師が変わってしまったり、治療方法が大きく変わったりします。なにより施設間で比較したくてもわずかな施設しかそのデータを提示できなければ意味がありません。そこで5年無再発生存率、あるいは5年生存率(再発してもしていなくても5年間生きている確率)を指標に用いることが実際には多いようです。もちろんきちんと10年の無再発生存率を提示できる施設は質が担保された医療が継続して行われており、それだけ実力があるということです。

▼Stage (ステージ)

一般の人は”早期”とか“末期”と表現します。専門的にはこれを病期と呼んで4つに分けています。
簡単にいえばI期が早期、IV期が末期に相当します。 ただ、一般の方が想像されるよりもStage IVの方は治療によって数年間にわたり長生きされることが多く、逆に早期ガンと診断されても油断はできません。なにより現在のように患者さんごとに細かく 調整したいわば”オーダーメイド”の治療を行う時代において、たった4つに分類して考えることはあまり意味がありません。治療成績を比較検討するときに役 に立つ程度に考えてください。

Stage I (腫瘍が小さく、わきの下のリンパ節に転移がない)
Stage II (腫瘍が大きく、わきの下にわずかな転移が見られる)
Stage III (腫瘍が皮膚や筋肉を侵し、わきの下にはっきりしたリンパ節転移がある)
Stage IV (乳腺やリンパ節以外の、肺や肝臓、骨などに転移がある)

StageIVの方にはは最初から転移が見られるため、無再発生存率の意味がありません。ですので上のグラフには出ていないのです。またここで説明したStageは簡単にしており、実際はもっと詳しく決められています。

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