乳腺外科

年間乳癌手術症例数(2014年12月まで)

われわれの手術症例数の年次推移を提示します。

次に術式の選択の推移を示します。

年を追うごとに温存率が低下しています。
決して温存する努力を怠ったのではありません。近年、乳房切除後の再建術が保険適応となり、サイズの大きな腫瘍だった場合に、変形を覚悟して大きく切除して温存するよりも、思い切って全摘して再建するほうがむしろ整容性の評価が高いことが理由です。

その根拠となる、全摘術の際に一次再建術を行い、同時に再建を施行した症例の比率の推移を示します。

年々増加しています。ここで注意していただきたいのは、オレンジで示した全摘を施行し、再建を施行しなかった症例に対しても、我々は二次的に再建を行っている場合が多いということです。なぜ1回で手術を施行し、切除と再建を行わないのか、については様々な理由があり、非常に複雑なため、ここでは紙面の関係上解説しません。

理由として一つ例を挙げます。乳癌がリンパ節に転移をしている場合(特に3個以上)、術後には局所に放射線治療を施行しておくことで再発率が有意に改善することがわかっています。こうした場合、同時に再建を行っていると、それに続く放射線治療で、再建に用いた人工乳房を薄く覆っている皮膚も焼かれてしまい、多くのトラブルの原因になることがあります。もちろん抗がん剤投与も同じく原因となります。そのためできれば治療終了後に、しっかり時間を置いてから再建することが望ましいのです。

PAGE TOP