講習・研修会のご案内

市民講座

日本の3大疾病と言われている『がん』。
もっと身近に『がん』について考えてもらいたい…
と始まった講座です。
毎回テーマを決め、様々な視点から、がんについての
講座を開催しています。
まずは「がん」について知ることから始めてみませんか?
※ 事前申し込みが必要です。
※ 参加費無料。

第45回「がんについてもっと知ろう!市民講座」

テーマ:肺がん 当日頂いた質問への回答はこちら

第46回「がんについてもっと知ろう!市民講座」

消化器内科セミナー「最近増えてきた膵がんの診断と治療」

「早期大腸がんの診断と内視鏡的治療」のお知らせ

第47回「がんについてもっと知ろう!市民講座」

次回は8月8日(日)14時~じばさんびるで開催します

※第47回「がんについてもっと知ろう!市民講座」は新型コロナウイルス感染症拡大予防のため開催を中止とさせていただきます。ご理解・ご了承くださいませ。

第45回「がんについてもっと知ろう!市民講座」

令和元年10月19日(土)「がんについてもっと知ろう!市民講座」を開催しました。

がんについての普及啓発を目的に、今回で45回目を迎える市民講座です。

今回は、地域住民の方がより参加しやすくなるよう会場を姫路駅近くの「じばさんびる」へ移動し、開催日も土曜日に変更しました。

「肺がん」をテーマに、当院でがん治療に取り組んでいる3人の医師がお話しました。

当日の天気は雨だったにも関わらず124名もの方が足を運んでくださいました。

参加者から「手術の動画もあり、イメージしやすかった。」「説明も丁寧で、イラストや実際のCT画像などもありわかりやすかった。」という声をたくさん頂いています

当日参加された方からの質問にお答えします。

なお、質問内容が個人の病気に関係するもの、セミナーのテーマに関連しないものについてはお返事いたしかねますので、掲示しておりません。ご了承ください。

当日頂いた質問への回答

回答者:水谷尚雄第一呼吸器外科部長

Q. 肺癌は手術前一か月禁煙するのは一般的な方法か。吸ったかどうかは自己申告か、あるいは調べればわかるのか?

A. 肺がんの手術前に禁煙をしていただくのは二つの意味があります。

一つは肺がんに対する手術に限らず喫煙者で術後の合併症発生率が明らかに高く、日本麻酔科学会が先頭に立って全身麻酔の手術の際の禁煙を外科系各科に働きかけるために2015年に周術期禁煙ガイドラインを策定しています。
その中でも禁煙期間に関しては、禁煙後4週間以上で術後呼吸器合併症の頻度が低下する、と記載されています。
肺がん術後の肺炎などの呼吸器合併症は生命にかかわる可能性もあるため、安全に手術を行わせていただく責任からも患者さんには少なくとも4週間の禁煙が望まれます。

もう一つの理由は、喫煙が明らかな肺がん発生の危険因子であることです。
肺がんの原因物質を体内に吸入しながら肺がんの治療をすることは、手術のみならず薬物療法、放射線療法など他の治療を行うことも全く合理的ではありません。

呼吸器外科の初診時に禁煙が必要な理由を説明させていただきますが、禁煙外来の禁煙治療ではないので、禁煙できているかどうかは自己申告です。
多くの喫煙者も肺がんの手術を契機に禁煙されますが、術後に再開される方は残念ながらゼロではありません。この辺りも含めて、禁煙については肺がんになられた患者さんの自覚に委ねるしかないところです。

Q. ロボット手術の練習プログラムや認定ライセンスは?メーカーは立ち会うのか?

A. まずは現在、肺がんの手術を術者として執刀するには専門医である必要はありませんが、ロボット支援手術のロボットを操作する医師は「呼吸器外科専門医」である必要があります。
さらに手術支援ロボットのメーカーIntuitive 社の定める手順に沿ったトレーニングを受け、修了資格を取得していること(修了証あり)、実際の手術の見学を必要な症例数行っていること、1例目は日本呼吸器外科学会が認定した指導医の立ち合いが必要であること、など細かく決められています。
さらに肺がんに対するロボット支援胸腔鏡手術(肺葉切除)は20018年4月から保険適用になりましたが、保険適用になるには前年度の手術実績(症例数)も必要になります。
そのため実際に実施できる施設は少なく、2019年11月現在、中播磨・西播磨地域では姫路赤十字病院だけです。

新しく認定された術者が執刀する最初の10例はロボットのメーカーも立ち会います。

回答者:河原道子第二放射線治療科部長

Q. 姫路赤十字病院はX線治療、テクノは重粒子線治療なのか?
副作用は解消させることができるか。咳が多い場合、再発率は?

A. 当院ではX線、テクノ(兵庫粒子線医療センター)は陽子線と重粒子線(炭素線)です。
粒子線治療で肺や食道や心臓の照射線量や照射範囲が軽減できた場合は、副作用が少なくなるかもしれません。(まったく無くなるわけではありません)
咳と再発との関連ですが、ある場合もあるし、ない場合もあると思います。ですので、咳が多いと再発率が高いとは言えません。

Q. AIや画像技術の発達で、ますますがんの早期発見は期待できるでしょうか。

A. 早期発見にはCT検診が有効と思います。追加料金が必要ですが、すでに一般的に行われています。胸部レントゲン検診に比べ値段が高いこと、被爆線量の増加、偽陽性の増加などいろいろ課題もあるかと思いますが…

Q. 緩和目的の放射線治療はこれからも増えるでしょうか。モニタリングや定期チェックで医療費は増えないのでしょうか。

A. 高齢化社会の到来によりがんの患者さんが増加した場合は、緩和目的の放射線治療もそれだけ増えると思います。また、モニタリンクや定期チェックのため色々検査をすると、医療費もその分増えると思います。

Q. X線(電磁波)と粒子線では放射線肺臓炎の発生状況に違いはあるのでしょうか?

A. 病変部や周辺の高線量が照射された部位の変化(肺臓炎→線維化)はX線も粒子線もあまり変わりないと思います。しかし低線量が照射される肺の容量は粒子線の方が少ないので、その分の肺臓炎のリスクは減少するかもしれません。

Q. 姫路赤十字病院の放射線治療と、テクノの粒子線治療センターでの肺癌放射線治療との違いは?

A. 姫路赤十字病院はX線を使った放射線治療です。粒子線センターは粒子線を使った放射線治療です。粒子線治療は良好な線量分布と高い生物的効果を期待できますが、今のところ先進医療であり保険適応となっていません。

Q. 放射線 放射線単独療法副作用は?肺臓炎のみ?

A. 肺臓炎以外の副作用として
治療期間中に起こりうるもの:全身の倦怠感や食欲低下、吐き気、照射部位の皮膚炎、食道炎、骨髄抑制(白血球・赤血球・血小板の低下)等
治療後に起こりうるもの:肺線維症、気管支狭窄、照射された皮膚の乾燥・色素沈着、胸水貯留、食道潰瘍、肋骨骨折、胸痛等
これらは必ず起こるものではなく、個々の照射範囲や線量、放射線の種類、分割回数、化学療法併用の有無、間質性肺炎や膠原病の有無などで起こる確率は変化します。

Q. 放射線 抗がん剤の時は何で1日2回にするんですか?2回に分けてある必要があるんですか?なんで2回に分けるほうが何で効くんですか?

A. 1日2回にするのは化学療法同時併用の小細胞がん治療の場合です。
1回1.5Gy(グレイ)、1日2回照射することにより、通常では約5週間かかる45Gyの照射を3週間で終わらすことができます。小細胞がんは増殖速度が早いので、通常より短い期間で照射することにより、より高い治療効果が期待できます。

回答者 岸野大蔵呼吸器内科部長

Q. 姫路赤十字病院ではオプジーボ薬使っておられるのか?

A. ニボルマブ(オプジーボR)も使用しております。現時点では肺がん治療においてニボルマブ(オプジーボR)はセカンドライン以降での使用が認められています。

Q. 抗がん剤治療の完治はないのか? 免疫チェックポイント阻害剤に完治はないのか?

A. ステージ4(Ⅳ期)の進行肺がんにつきましては、講演でお話いたしました分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場により、治癒とはいかないまでも延命が可能となってきています。

Q. ペムブロリズマブ単剤治療5年の効果、2つのグラフの違いの意味は?

A. 講演では初回からペムブロリズマブ単剤治療を行った方のグラフと2種類目以降のお薬としてペムブロリズマブ単剤治療を行った方のグラフをお示しいたしました。新しいお薬でありあくまで開発時臨床試験の推定値ですが、初回治療の場合が約23%、2種類目以降に使用した場合が約15%と報告されています。

Q. 間質性肺炎から発展した「がん」は今回の治療法は受けられないのですか。

A. 間質性肺炎を合併された進行肺がん患者さんの治療において最も問題となるのは間質性肺炎の急性増悪です。急性増悪は致死的な合併症であり、救命できたとしても患者さんのQOLが著しく低下することが多い病態です。薬物療法(細胞障害性抗がん剤、分標標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬)は増悪因子となり得ますので治療には慎重な検討が必要となります。担当医とご相談ください。

Q. NGS検査は保険適用されていますか?また、NGS検査は肺癌以外のほかの癌についても実施されていますか?

A.がんの多数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子変異を明らかにするがん遺伝子パネル検査につきましては当院がんゲノム外来についてのホームページをご参照ください。進行非小細胞肺がんに関するNGS検査では多数の遺伝子検査ではなく、従来からある4つのがん遺伝子検査のみ保険適応となっております。

Q. お話の中で、エネルギーの取りすぎはがん細胞を活性化させると言われましたが、食生活で体力をつけるためにサプリメント等は摂取しないほうがいいのか。

A. お食事は大切ですが、あまり神経質になる必要はありません。また、エネルギーの取り過ぎががん細胞を活性化することはありません。むしろ治療前の体力向上は治療時の副作用の軽減につながります。ただし、がんが非常に進行し不可逆的な悪液質となった状態では種々の代謝異常が生じる為、栄養管理の変更が必要となります。サプリメントにつきましては肺がんの治療薬によってはまれに問題が生じる場合がありますので、事前に医師または薬剤師にご相談ください。


【問い合わせ】
姫路赤十字病院 総合相談支援課・相談支援センター
〒670-8540 姫路市下手野1-12-1
TEL 079-294-2251(代表)