院長徒然日記

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No.182 市民向け講演会の中止

 中播磨地域がん診療連携拠点病院市民向け講演会を2月22日予定していましたが、新型コロナウィルス対策の一環として中止を決定いたしました。わたしたちの病院は中播磨医療圏で国指定のがん診療拠点病院として、「がんについて市民にもっと知ってもらう」をテーマに市民向けの講演会を開いていますが、2月の講演会は年度内で最も大規模な講演会です。がんにかかわっておられる著名人、芸能人などを迎えて毎年行っており、市民から期待されている催しの一つとなっています。しかし今年は、新型コロナ問題で日本国がいわゆる国難とも言ってよい状況になっており、感染拡大防止のために多くの人が集合することは避けるべきであり、また医療機関は率先して取り組むべきと判断し、中止に至りました。
 講演会で市民の方に伝えたかったことについてここに記したいと思います。いま日本人は一生の間に半分の方ががんを患い、3分の1の方ががんで亡くなるといわれております。そこで国はがん対策推進基本計画で「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。」を目標とし、①科学的根拠に基づくがん予防・がん検診の充実 ②患者本位のがん医療の実現 ③尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築に取り組んでいます。
① がんの一次予防では、例えば喫煙に関して、受動喫煙対策を打ち出しています。がんの早期発見、がん検診(二次予防)では検診率の向上を掲げています。5大がん検診率は兵庫県は全国と比較して低位であり、県民としてはこれを上げることが早期発見につながり、がん死亡率を低下させることに繋がります。
②がん医療の充実では、個別のがん対策、医療体制の強化、療養生活の質の維持向上を掲げて様々なことに取り組んでいます。個別の対策では、特に小児がん、AYA(思春期と若年成人)世代のがん、がんゲノム医療についての取り組みを強化しております。療養生活の質の維持向上に関しては、緩和ケアの質の向上、在宅医療・介護サービス提供体制の充実に努めています。
③がん患者を支える社会の構築では、就労支援体制の構築、がん教育の推進等により安心して暮らせる社会を目指しています。
そのほか様々な取り組みをしており、これらを地域で中心となり実践しているのが、がん診療拠点病院であり、中播磨医療圏には姫路医療センターと姫路赤十字病院が役割を担っています。

 この様な内容を講演会に集まってくださった市民の方にメッセージを送る予定でした。今回はその講演会を中止しましたので、徒然日記の場を借りて書かせていただきました。                                

2020年 2月 28日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三