院長徒然日記

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No.158 定年退職

家庭の事情、人事による異動、また女性の職員が多い職場でもあり、様々な理由でこの時期多くの方が退職されます。そんな中、定年を迎え退職する職員も例年数名おられます。

定年制がある限り、退職するときはきますが、本人はもとより職場仲間の人たちもいろいろな想いがあることと思います。院長としてこれまで多くの退職者を送り出していますが、わたしも長年勤めていますので、退職される方との関わりは様々で、毎年この時期になると複雑な想いになります。定年と言っても、この頃は以前と比べ体力・気力的にはまだまだ若く、仕事を続けてもらいたい思いでいっぱいであり、残されるものにとって何となく寂しいものです。但しこれはこちら側の一方的な思いであり、定年を迎えられた方には、これからの人生を楽しんで頂きたいと思います。

最近定年の引き上げが取りざたされています。そもそも定年制度は終身雇用と年功序列という日本企業の体質を維持する上で欠かせないものと言われています。しかし、近年では少子高齢化や労働力不足のため元気な高齢者にはもっと働いてもらいたい、加えて年金制度が行き詰まり、高齢者の労働継続により年金受給年齢を引き上げる意図も見え隠れし定年の引き上げが議論されているものと考えます。定年引き上げには、高齢者の貧困問題解消、生き甲斐、そして優秀な人材を維持できるといったメリットがある一方、組織の高齢化が進むといったデメリットを抱えています。
技術や知識を持ったベテランが組織に残ることは大きな利益をもたらす一方で、短期的な目標ばかりを追求してしまうと、若手の育成が鈍りがちになります。育成に十分配慮し、高齢者の生き甲斐の支えになり、組織の活性化につながるようマネジメントすることが、これからの少子高齢社会に求められる要と思います。

医学的には「よく食べ、適度に運動し、ストレスをためない」ことが健康寿命を延ばすことに繋がるといわれています。いわゆる“ピンピンコロリ”に近づけると考えます。医学的根拠を考慮して、高齢社会に対しての向き合い方に自助・共助・公助の考え方を強く押し出し、その中で高齢者の働き方も考える時期が来ていると思います。

今年は4名の方が定年退職されます。副院長2名、看護師2名です。いつもの年と異なり、4名の方にはわたしにとっていわゆる戦友であり、深い思い入れがあります。
1人の看護師さんとは、わたしが初期研修医時代から長年関わっており、手術室、外科外来と常に近くで仕事をしてきました。もう1人の看護師さんとは、病院運営の重要な部門でパートナーとして仕事をしてくださいました。1人の副院長とは初期研修医時代から、そしてもう1人の副院長とは30年以上にわたり、共に助け合いながら診療を続けてきた同僚です。この人たちが退職されるのですから様々な想いが巡ります。ただ嬉しいことに退職後もいろんな形で病院に携わってくださいますので、これからも「よろしく」。

                

2019年 3月 25日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三