院長徒然日記

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No.181 地域包括ケアシステム構築について思う
厚生労働省のホームページより引用
厚生労働省のホームページより引用
いま東京出張中の新幹線車中です。日本マネジメント学会でのシンポジウムで発表依頼があり、その抄録提出期限が迫っており、これを書いているところです。このシステムで重要な役割を為す、所謂キーマンは、ケアマネージャー、ソーシャルワーカー、入退院調整看護師、医療福祉連携士等の職種であり、今回これがシンポジウムのテーマとなっています。 地域包括ケアシステムについて新聞等で盛んに紹介されていますが、多くの方には馴染みが薄いと思います。日本は、諸外国に例をみないスピードで高齢化が進行しており、75歳以上の人口割合は増加し続けています。結果2025年以降は、国民の医療や介護の需要が、さらに増加することが見込まれています。そこで政府は2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもと、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。地域包括ケアシステムの姿のイメージ図も作られています。

このシステムは各地域に見合ったより良いものとすることが、住民全てにとって受け入れやすいものとなります。わたしも中播磨医療圏で開催されている会議に参加しています。どのような社会・組織においても、会議等で事業の整備についてその必要性を認め、変化する方向性を示すことがなされています。しかし現場では会議で決められた方向に向かって有効的に進捗することはなかなか困難なことが多々見受けられます。同様なことはわたしたちの病院内でも起こっております。
同様に、地域包括ケアシステムの姿がイメージ通りになるには相当な時間と莫大なエネルギーを要することが予測されます。地域全体で達成するまでの課題、そして一病院としてこれらを解決する方法論について、現在考えていること、実行していること等を数点列挙します。未熟な点があることにつきましてはご容赦お願いします。
①わたしたちの地域ではこれまで長い歴史の中で、医療・介護はそれなりに機能してました。しかし今のままでは今後この現状を持続することは困難が予測されます。このため先ず行うことは住民、そして医療・福祉・介護関係者も既存概念を変えることが大変重要なことになります。
②医療機関は機能分化を模索しています。報道で病院の統廃合が話題となりましたが、これも機能分化の一環です。二人主治医を持つとか、病態によって急性期病院からリハビリなど回復期病院への転院、そして自宅とか施設等に生活の場を移すことになります。これらが政府の示す方向性であります。このことは住民に理解を深めていただく必要性あります。
③社会行動の大変革であり、地域がある日を持って同時に行動を起こすことは現実に不可能です。
④『小さな地域包括ケアシステム』を可能な施設間で構築し、これを徐々に広めることが寛容であると考え、私たちの病院は、この取り組みをすでに始めています。
このような内容をこの度のシンポジウムで報告する予定です。
そうこうしているうちに品川駅へ着きました。

2020年 2月 13日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三