院長徒然日記

院長徒然日記

No.192 「ポストコロナ社会に向けて」を読んで
  (兵庫県HPより引用)
  (兵庫県HPより引用)
 今日本はいったん収まってきたかに見えた新型コロナウイルス感染者が再び増加の傾向にあり、不安な日々が続いています。その中この7月五百旗頭真先生を座長としてポストコロナ社会兵庫会議が行われ、コロナ禍後の社会に向けて提言をされていました【参考:提言ポストコロナ社会に向けて(兵庫県ホームページ)】。会議のメンバーは兵庫県で様々な分野で活躍されている方々で構成されています。五百旗頭先生はこれまで多分野に渡り重要な提言をされています。いまの日本、これからの日本をあるべき姿に牽引される人物としてわたしは尊敬しています。わたしは赤十字社の一員でもありますので、災害について勉強する機会があり、先生のお名前はたびたび目にします。政府の東日本大震災復興構想会議議長、くまもと復旧・復興有識者会議座長など重責を勤められ、素晴らしい仕事をされています。災害関係の講演を拝聴したこともあり、直接話を聞いてくださったこともありますが、視野を広く持ち、適切な言葉を発せられる印象を持っています。

 提言は、パンデミック時代の危機管理、デジタル革新の加速、産業の競争力・リスク耐性の強化、分散型社会への転換、社会の絆の再生の5項目に及んでいます。今回の禍で露呈したのは、危機に対処する機関が日本にはなく、総合的な危機管理体制の構築が必要だと指摘しています。詳細は「提言ポストコロナ社会に向けて」を一読していただければと思います。 提言の中でわたしたち医療職にとって特に印象的であったのは、「旧日本の伝統であった不眠不休的敢闘精神は感動的であるが、合理的に限界をも認識すべきである。」の文言でした。阪神淡路大震災の時アメリカ人の看護師から、「72時間がんばったら休むべき。他の人たちが来るのだから。」の教訓を得ていたのに今回活かせなかった。さらにSARSのとき、中国では家に帰れない看護師たちを6時間勤務4交代でアメニティの高いホテルに滞在させていたが、日本では不十分であった。避難所に関してもイタリアではゆったりとしたテント村にあり、上等なキッチンカーが来て食事が配られる。これが先進国の常識。
まだまだ多くのことが提言されていました。医療面だけにおいても、先進国の常識から取り残されている感が深く刻み込まれました。

 結びとして、先端技術を臆することなく取り込み、コロナ禍を乗り越えるとともに、愛するにたる社会の人と人との絆を大事にし、人間性を高めることである。誰も見捨てない社会への信頼と安全安心があって初めて人々は憩うことができる。

一つ一つの提言に重みがあり、今後何回も読返したいと思います。

2020年 7月 22日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三