院長徒然日記

院長徒然日記

No.171 前例がない

こうしている間にも、世の中はどんどん便利になって行きます。そのスピードはあまりにも速く、昨日までのあたりまえが、明日には時代遅れになってしまうこともあります。変化しない日など1日もないような世の中であっても私たちはついていかなければならない社会で生活しております。日々自らも変化が求められる時代と言っていいでしょう。「前例がないからできない。」といった言葉をよく耳にします。変化するには大変なエネルギーを要しますので当然とも言えますが、人の長い歴史をみるとスピードの違いこそあれ変化してきたからこそ今の人間社会があると思っています。ダーウィンも言っています。「変化するものだけが生き残る。」

例えば最近のiPadのアプリは次から次へとアップグレードされたり、新たなアプリが登場し、便利なものとなっています。今まで便利に使っていたアプリも、アップグレードのおかげで、使い方が変わってしまいどう使っていいかまるでわからない初心者の状態に誰もが陥ってしまいます。これが繰り返されることにより永遠に初心者のままになってしまいます。このことはアプリに限ったことではありません。仕事自体も変化し続け、その結果初心者に引き戻されます。その度に強みを失い、ゼロから成功パターンを学習するようでは、めまぐるしい変化に追いつけなくなってきます。これに対応するには培ってきたノウハウを抽象化・構造化し、古い仕事と新しい仕事の共通点を見出して、強みを発揮することが求められます。理屈っぽくなりましたが、「前例がないからできない。」ではなく変化することに挑戦する気持ちが大切です。

ところで何か変化して新しいことをやりたいと思った時不安を感じない人はいません。むしろ新しいことをやりたいと思った時、不安を感じたら積極的に取り組み、不安を感じなければやめるべきと考えます。不安を感じないことを行い、それが成功しても利益にも成長にも繋がらず、時間の無駄にしかなりません。不安を感じながら始めたことは、成功すればもちろん、失敗しても得るものは必ずあります。ただ誰もが不安であり、臆病にもなります。臆病なことも大切であり、失敗の可能性にも敏感となり、最悪の自体を事前に見積もりながら、致命的な失敗だけは避けたいものです。

めまぐるしい変化の中答えのない時代に突入しています。変わることを、前へ進むことを、ワクワクしながら楽しみましょう。少々失敗してかすり傷をいくら負ってもいいのではないでしょうか。

2019年 9月 12日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三