院長徒然日記

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No.86 救護看護婦像へ誓う

わたしたちの病院では毎年8月15日、病院正面に建立してある救護看護婦像の前で、彼女たちの偉業をたたえ、世界の平和のため、赤十字精神を実践する誓いを立てています。第二次世界大戦時、日本各地から大勢の赤十字看護婦さんたちが、極寒の地や赤道直下の極暑地で、し烈な戦火の中「人道」の精神を抱き、負傷者の救護活動を展開されました。わたしたちの病院が属していた日本赤十字社兵庫県支部からも20班、812名が派遣され、うち戦時救護で28名の方々が殉職されました。赤十字の精神を実践せんがゆえに悲しい経験をされた方、命を落とされた方達の話を聞かされています。昨年はテレビドラマでも放映されよく御存じと思います。わたしが語るに相応しいとは思いませんので、今回はあえてその内容に関しては割愛させていただきます。

彼女たちが大切にした「人間の生命は尊重されなければならないし、苦しんでいる者は、敵味方の別なく救われなければならない」という「人道」こそが赤十字の基本で、7原則にまとめられています。「人道」を少しでも理解していただくため、今回は筆を執りました。

赤十字基本7原則を列記します。(詳しくは日本赤十字社ホームページ)

1.人道
国際赤十字・赤新月運動(以下、赤十字・赤新月)は、戦場において差別なく負傷者に救護を与えたいという願いから生まれ、あらゆる状況下において人間の苦痛を予防し軽減することに、国際的および国内的に努力する。その目的は生命と健康を守り、人間の尊重を確保することにある。赤十字・赤新月は、すべての国民間の相互理解、友情、協力、および堅固な平和を助長する。

2.公平
赤十字・赤新月は、国籍、人種、宗教、社会的地位または政治上の意見によるいかなる差別をもしない。赤十字・赤新月はただ苦痛の度合いにしたがって個人を救うことに努め、その場合もっとも急を要する困苦をまっさきに取り扱う。

3.中立
すべての人からいつも信頼を受けるために、赤十字・赤新月は、戦闘行為の時いずれの側にも加わることを控え、いかなる場合にも政治的、人種的、宗教的または思想的性格の紛争には参加しない。

4.独立
赤十字・赤新月は独立である。各国の赤十字社、赤新月社は、その国の政府の人道的事業の補助者であり、その国の法律に従うが、常に赤十字・赤新月の諸原則にしたがって行動できるよう、その自主性を保たなければならない。

5.奉仕
赤十字・赤新月は、利益を求めない奉仕的救護組織である。

6.単一
いかなる国にもただ一つの赤十字社あるいは赤新月社しかありえない。赤十字社、赤新月社は、すべての人に門戸を開き、その国の全領土にわたって人道的事業を行なわなければならない。

7.世界性
赤十字・赤新月は世界的機構であり、その中においてすべての赤十字社、赤新月社は同等の権利を持ち、相互援助の義務を持つ。

2016年 8月 12日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三