院長徒然日記

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No.75 3月:2年に一度の大変な時期

“診療報酬改定”の言葉は馴染が少ないと思います。しかし病院にとっては大変重要なことであり、最大関心事の一つに挙げられます。病院収入のほぼすべてを決めているルール改正であり、いわばバイブルに相当するものなのです。これが2年に一度内容が大きく変更されるのですが、今年の4月がその時期です。診療報酬改定を迎えて病院がどの様に対応しているかその一部を紹介してみます。判りやすくするため一部誤解を生じるところもあるかと思いますが、ご容赦ください。

皆さんご存じのように、日本は国民皆保険制度をもっており、これの特徴は、『①国民全員を公的医療保険で保障 ②医療機関を自由に選べる ③安い医療費で高度な医療 ④皆保険を維持するため、公費を投入』と捉えることができます。これのおかげで日本は世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準を実現できており、世界に誇るべき制度であります。
この制度のもと図に示すように病院は患者さんを診察し、患者さんに一部負担金を戴き、診療内容をレセプトの形で支払い請求をし、審査機関を経て、保険者から支払いを受ける仕組みです。一方患者さんは保険料を納付することになります。
このレセプトのルールを2年ごとに政府が決めているのです。

病院には医師、看護師、薬剤師など実に多くの専門職員が働いています。さらにそれぞれの職種の中でも細かに専門職としての資格があります。また建物などについての施設基準が設けられています。病院は健康に関わることですので、医療安全、感染症等に対する対策をはじめとして実に多くの様々な条件が付されています。
レセプトのルールとして、資格をもった人材の配置、建物、医療安全等に対して事細かな施設基準を作り、ランク付けをしています。しかも当然のことですがこのルールを厳格に遵守することを求めています。病院はルールをみて、どの基準を満たしているかを決めて、厚生局に届け出をして、これが認められてはじめて診療報酬を請求することができるのです。

このルールが発表されるのが2月の半ばになります。膨大なルールブックを見て、解釈し、病院は届け出をし、そして、コンピュータソフトの組み直し、人員配置の変更、等々膨大な作業を行う必要があり、日常業務の中、しかも短期間の間に作業を終えなければなりません。3月は大変な時期なのです。そして4月1日からは新しいルールで運営することになります。

2年ごとの診療報酬改定がされるとき、病院の中ではこの様な事が行われているのです。

2016年 3月 14日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三