院長徒然日記

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No.62 わがこと意識
姫路市総合防災訓練
姫路市総合防災訓練
姫路市総合防災訓練
姫路市総合防災訓練
9月1日防災の日、わたしは平成27年度姫路市総合防災訓練/姫路市国民保護訓練に参加しました。今年は南海トラフ巨大地震発生と化学剤散布テロ事案発生の想定で訓練が行われ、行政はじめ各種団体70機関、参加者1,500名の大規模なものでした。わたしたちの病院は赤十字活動の一環として、また災害拠点病院の一員として毎年参加しており、救護班Ⅰ班を含め12名が出動しました。熱心に防災訓練に取り組んでいる姿をみながら、最近各地で50年経験したことのない雨、巨大台風、火山活動、年々熱くなる気候など現実におこっている現象をみると如何に“わがこと意識”の重要さに気づかされます。この“わがこと意識”は兵庫県立大学環境人間学部准教授の木村玲欧先生が良く使用される言葉です。

さる7月木村先生の講演を聞く機会がありました。先生によると“わがこと意識”を高めるためには「地域性、現実性、人間性の3要素がある」といいます。活断層などの現場を見学することは「自分の住む土地で起きるという地域性、歴史を知る現実性、地震で自分の生活が一変することを想像する人間性など、断層見学などの体験は効果が高い」と評価されます。
まずは地元で起きた過去の災害を知ることが、意識を高める第一歩。木村先生は「かつて大災害は一生にせいぜい1、2回と頻度も低く、意識を高めるのは難しかったが、最近は地震だけでなく、豪雨や土砂災害などが頻繁に起きるようになっている」としたうえで、「一人ひとりが災害を“わがこと”と考え、身近な防災行動につなげていくことが大切」と呼びかけておられます。
災害から身を守るには「いつも」と違うといった感覚を持ったらすぐ避難体制を取ることが重要です。“わがこと意識”が本番感覚を養い、どうせ自分のところでは起きないといった他人事としてとらえるのではなく、もしかしたら「わがところ」で起きるかもしれないといった感覚をもつことです。例えば地震が起きたら津波を連想し、大雨が降れば水害を連想するといった具合です。本番感覚をもち避難体制に入ることで、実際に災害が発生した場合は被害抑止・被害軽減につながります。災害が生じなかった場合でも逃げ損ではなく、良い訓練の機会となったとプラスと評価し、家庭内、地域内、組織内、社会で「本番感覚」を育てる効果を生みだします。

近隣での災害を思い起こすと、1984年山崎断層地震、1995年阪神淡路大地震、2009年佐用町水害があり、それぞれ大変な想いがあります。わたしは1978年宮城沖地震も経験しており、大きな災害を4回経験したことになります。時間がたつと記憶が徐々に薄れていきますが、常に“わがこと意識”をもち「本番感覚」を育てることの必要性を今回の訓練を通して心を新たにいたしました。

2015年 9月 2日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三