院長徒然日記

院長徒然日記

No.51 幸せの場

3月の転勤時期になり、わたしたちの病院外科部でも5名の医師の転勤が決まり、彼らの送別会がありました。
実家に帰り家業を継ぐ先生、研究生活に入る先生、新たな研修を求める先生と色々と進む道は違いますが、供に同じ方向を目指し仕事をした仲間を思うと淋しさを感じるとともに、新たな目標を目指しそれぞれの幸せをつかんで欲しいと願います。


西洋のことわざに次のものがあります。
『一日だけ幸せでいたいならば、床屋に行け。
一週間だけ幸せでいたいなら、車を買え。
一ヶ月だけ幸せでいたいなら、結婚しろ。
一年だけ幸せでいたいなら、家を買え。
一生幸せでいたいなら、正直でいることだ』

幸せにはいろんなものがあります。一つの幸せ(幸福感)はずっと続くわけではありません。慣れたり飽きたりして、幸せを感じられなくなってしまうこともあります。幸福感を持続するには、正直で、素直な心が必要であると説いているのでしょう。


幸せはたくさんあり、人により異なるものです。そこで何が自分にとって幸せであるか気づくことが最も大切であると思います。「幸せの青い鳥」の寓話がありますが、これは幸せを求めてさまざまな場所を旅し、家に戻ってくると、幸せの青い鳥は、実は最初から自分たちの家にいたことに気付くものです。幸せはもともと何でもない身近にあるものであり、簡単なものであることを説いています。ではこのことを最初から気づくことができたでしょうか。幸せの青い鳥を求めて旅をし、他人の人生、別の生き方を知ることによりはじめて、自分自身の幸せは何であるかを気づくことができるのです。旅をしなかったら幸せが何であるかを気づくことはできなかったのです。

この度わたしたちの外科部を旅立つ5名は、すでに幸せに気づいているもの、いま幸せを探しているもの、これから幸せを探す旅に出るものいろいろな立場の人がいます。ただわたしたちの外科部が幸せの場所ならばいつでも帰ってきていただきたいと考えています。いろいろな職場を経験して、結果的に私たちの外科部が幸せな場所であるように常になりたいと思っています。

幸せの灯りを見つけたら焦る必要はありません。ゆっくり歩いて行けば良い。わたしは医師として今の場所に灯りを見つけており、それに向かって歩いています。

 

2015年 3月 19日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三