院長徒然日記

院長徒然日記

No.37 ロボットが同僚になる日
▲職場の風景
▲職場の風景
そもそも人は何のために働くのでしょうか。当然のことですが第一義的には、生きるためであります。しかし、人は社会的なかかわりの中で生きており、このためには社会に何らかの価値を提供しなければなりません。それが働くことの大きな意味と考えます。仕事をしていて楽しいのは給料が上がった時も当然でしょうが、それ以上に誰かの役に立っていると実感したときが一番です。私たちは病院に努めていますので、患者さんから「ありがとう」と感謝の言葉を頂戴した時がこれにあたると思います。この感覚を得るにはどうしたらよいのでしょうか?

ところで労働者が“サラリーマン化”しているといった言葉を聞いて久しくなります。担当している仕事をどこか他人事のようにとらえている傾向があり、「自分がその仕事をどうしたいのか」ではなく、「上司から指示されたから」「お客様から言われたから」という理由でいつも仕事に取り組んでいるような状態であります。いわゆる待ち受け状態と言いましょうか、主体性に乏しいあり様を表現しています。 日本経済新聞を読んでいますと、“ロボットが同僚になる日”の題でコラムが載っていました。ある工場では人型ロボットが導入され、多くの従業員とともに生産を担っており、人にはつらい工程を引き受けてくれるロボットを従業員は「イチロー」と親しげな名前で呼んでいます。人とロボットが並んで働く風景が広がり始めており、今後ますますこの傾向は加速されます。そこの社長さんによると「環境変化が速い。何が事業になるのか考えることに職員は時間を使ってほしい。器械は職を奪う敵との極論にくみせず、働き方の刷新に役立て、人間ならではの仕事の探究をしてほしい」と。漫然と器械的な作業に明け暮れる“ロボット社員”の居場所は日々狭くなりつつあります。

そこで仕事をすることの楽しみを見出すための答えを私なりに考えて見ました。人生を仕事、プライベート、睡眠に大まかに分けると、3分の1から2分の1は仕事をしています。サラリーマンといえども、自分のためではなく、会社のためという意識、いわゆるオーナーシップを持ってガムシャラにベストを尽くせば、周囲の人、社会は必ず認めてくれ、それが自分に帰ってきて大きな喜びになると思います。仕事とプライベートをいかに両立するかに悩む人が多いと思いますが、少なくとも人生の一時期は必死になって主体的に仕事に取り組むべきであり、その後には必ず両者のバランスのとり方がおのずと開けてくると確信します。

具体的な取り組み方は職種により異なると思います。患者さんを相手とする私を含め医療人はしっかりとした知識技術の基に個々人が患者目線になって行動することが大切です。見ていてくれる人は周囲に必ずおり、評価してくれています。喜びにもつながります。

精神論的な面が多分にありますが、社会が目まぐるしく変わる中でロボット社員にならないためにも、また楽しい人生を過ごすためにも答えの一つになるのではないでしょうか。

2014年 9月 18日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三