院長徒然日記

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No.36 人類への警鐘?
▲姫路市総合防災訓練・姫路市国民保護訓練の様子
▲姫路市総合防災訓練・姫路市国民保護訓練の様子
9月1日は防災の日であり、私は姫路市総合防災訓練・姫路市国民保護訓練に参加しました。わたしたちの病院は赤十字活動の一環として、また災害拠点病院の一員として、行政、各種団体と協力して平素より防災に備えています。熱心に防災訓練に取り組まれている光景を見ながら、防災に関連して最近の気象の変化の激しさ、有効な解決策のない感染症について評論家になったつもりで考えて見ます。

最近の日本の気象は明らかにどこか変であると思われます。今年の夏だけでも気温40度を超える地域があったり、短時間に局地的な大雨があり、広島、兵庫県丹波地方、北海道などで大変大きな災害が生じています。気象だけでなく感染症でも異変が起きており、数十年日本での感染はなかったデング熱も国内感染が確認されています。
世界に目を向けるといろいろな地域に異常気象による災害が報じられており、また感染症ではエボラ出血熱が猛威をふるっており、心配される状況が続いています。

このような現象をどう捉えたら良いのでしょうか? 明らかに自然からの人類への警鐘と捉えるべきと考えます。18世紀後半にイギリスより始まった産業革命以来産業構造のみならず、社会の仕組みそのものが大きく変わり、しかも最近ではそれらの変化の速度も急速に加速されています。エネルギーを大量に必要とし、化石燃料を枯渇する危機を迎え、原子力発電も生み出してきました。自然を破壊し、動物との共存も困難になってきています。これらの結果として地球温暖化を招き異常気象を引き起こしているのではないかと言われています。またかつては人類と接触することのなかったウィルスによる感染症が表に出るようになってきています。これらの事象は今後ますます頻回となり、災害は大きくなることが容易に想像されます。人類全体・地球全体の問題として自然に対して畏敬の念を持って人間社会自体が変化を行う必要性があります。

人間社会はあまりにも便利さを求めすぎてきたのではないのか? 科学は万能であり、あらゆることを説明できると勘違いしているのではないか? 究極として自然から完全に分離した生活ができると考えているのではないか? その他現代の人間社会は勘違いしていることがまだまだ沢山あるのではないかと思います。地球上の生物と同じく人類も共存することが重要であること、科学でわかっていることは現象のごく一部であること、自然災害を完全にコントロールすることは不可能であること、自然との関わりの割合をどのようにすべきか等々考え方を根本から見直すことが求められています。

自然災害はいつ、どこに、どのようなものが発生するかは予測が立ちません。自然をコントロールすることはできませんが、あらゆることを想定し、装備、機能を整備することが必要です。さらに重要なことは住民全ての方が、「災害は起こるもの」として日頃から生活することが最も大切と考えます。このようなことを考えながら訓練に参加していました。

2014年 9月 1日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三