院長徒然日記

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No.33 地域医療連携について
▲地域医療連携交流会の様子
▲地域医療連携交流会の様子
先日7月19日姫路赤十字病院地域医療連携交流会を執り行いました。この地域の医療関係、介護関係の様々な職種の方々と当院の職員合わせて約300名を超す大変多くの人が参加してくださいました。姫路市で医療・介護関係のいろいろな職種の人たちが一同に会する機会はめったにありません。主催者としては大変感謝しています。交流会は二部構成で、第一部ではイエローハット創業者鍵山秀三郎氏に『凡事徹底・・平凡なことを非凡に努める』の題目で約一時間の講演をしていただきました。人生の大先輩として大変感銘を受ける内容で、好評でした。第二部は私の挨拶、姫路市医師会長の挨拶で始まり、お互いコミュニケーションを深める約1時間半の有意義な時を過ごせていただいたと思っています。

“地域医療連携”という言葉は医療関係者以外には大変なじみの少ない言葉であると思います。住民の方に少しでも理解していただこうと考え、私なりにエッセンスを説明させていただきます。この言葉は医療界で2000年頃から徐々に使用されるようになり、最近では当たり前のように表現され、連携が盛んに実践されるようになっています。この言葉の本質は「地域全体で地域医療を支えましょう」といった考えのもとに行われていることです。地域の医療機関は中核病院だけではありません。開業医による各専門診療科医院をはじめ、診療所や介護療養施設、訪問福祉型民間業者などがあります。これらの医療機関がバラバラに医療サービスを提供するのではなく、地域の医療機関が連携し、それぞれの医療機関の特徴を活かし、地域全体が一つの医療システムとなって、最適な医療サービスを提供しようという考え方に基づくものです。

地域医療連携交流会は当院では古くより毎年行っていましたが、最近ではこのように多くの方々が参加してくださるようになりました。多くの人が参加するようになった理由の一つに日本の世界に経験したことのない超高齢社会の問題があります。超高齢社会についてはほぼ毎日のように新聞・テレビでお目にしますが、これが日本の政治・経済をはじめ、あらゆる領域に大きな試練を与えており、これを乗り切る必要があります。医療界に於いても同様であります。医療の在り方も変化する必要があり、医療・介護関係者のみならず、住民の方々も意識改革を迫られています。限りある医療資源の有効利用のため、救命・延命、治癒、社会復帰を前提とした「病院完結型医療」から、住み慣れた地域や自宅での生活のための医療、地域全体で治し、支える「地域完結型医療」への転換であり、医療から介護へ、病院・施設から地域・住宅へといった方向です。
超高齢社会を乗り切る流れを成功するには、施設間がそれぞれの特徴を活かし、地域全体が最適な医療サービスを享受するための鍵が“連携”です。このため、人と人が顔の見えるコミュニケーション・人と人が考えのわかるコミュニケーションを形成することが重要であり、交流会の意義があると考えています。

2014年 7月 22日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三