院長徒然日記

院長徒然日記

No.32 播磨の赤ひげ先生
▲日本医師会「赤ひげ大賞」の冊子
▲日本医師会「赤ひげ大賞」の冊子
或る朝出勤して院長室の机の上の小冊子が目にとまりました。日本医師会より送られてきた第2回日本医師会赤ひげ大賞の冊子です。日本医師会では昨年より赤ひげ大賞を発表されており、興味深く拝読させていただいております。第1回についても、その内容についてこの徒然日記で紹介いたしました。今回表紙を見ていると何となく顔見知りの写真が載っていました。播磨医療圏にある診療所院長の女性医師で、ご夫婦で営まれておられます。ご夫婦とも私と同じ医局で、また同じ医療圏でもあり長く付き合いをさせていただいています。早速お祝いの気持ちを込めて電話をしました。彼女は地域医療のやりがいは「患者との触れ合いや信頼関係です」と語り、今日も地域住民に寄り添い地道に日夜奮闘されています。

赤ひげ大賞は地域の医療現場で長年にわたり、健康を中心に地域住民の生活を支える医師を顕彰することを目的に設立されています。2025年ピークを迎える超高齢社会に向けて日本の医療制度は大きく変わる必要があります。今までは「病院完結型の医療」が中心でありましたが、これからはそれぞれの医療機関が機能を分化させて、さらに連携を行い、住み慣れた地域や自宅での生活のための医療、地域全体で治し、支えるいわゆる「地域完結型の医療」を医療関係者と住民の方々とともに推し進める必要があります。このため地域住民に寄り添うかかりつけ医の重要性は今後益々増大します。地域医療で活躍される医療の原点とでもいう“赤ひげ先生”がいてこそ超高齢社会に対応できると考えます。

医療界では地方と都市部の間の医師の偏在に関する問題と、勤務医のサラリーマン化の問題を抱えています。一方、国民は“赤ひげ先生”を理想とし、何時でも、何処でも安心・安全で質の高い医療を受けられることを求められています。地域で信頼され、地域の要望に応えるために、医療人が提供する医療(サービス)と国民の求める“赤ひげ先生”(ホスピタリティー)をいかに良いバランスをとるかが重要となります。その答えを求めるため、急性期病院の在り方、医療連携の在り方、かかりつけ医の在り方を住民の方と伴に考えたいと思います。

わたしたちのすぐ近くで大賞に選ばれた素晴らしい“赤ひげ先生”が活躍されていることに誇りを持ちましょう。

2014年 7月 8日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三