院長徒然日記

院長徒然日記

No.197 医療福祉連携士

 先日京都にて開催された日本医療マネジメント学会でシンポジストとして発表の機会がありました。今回の学会はコロナ禍の最中に開催されましたので、参加者も制限されており、発表方法もアクリル板で囲まれた中で行い、会場だけでなくWeb会議システムで同時発信するといったこれまでの方法とは全く異なるものでした。 シンポジウムのテーマは“医療福祉連携士”についてでしたが、そもそも“医療福祉連携士”自体何であるのか、どのような仕事をしているのか、医療に携わる人も含めてあまり知られていません。この制度が始まって10年経過したばかりで認知度が低いのも無理のないことです。

 いま日本社会は少子高齢社会を迎えており、今後ますます高齢化が進んできます。高齢者が尊厳を保持し、住みなれた地域で生活を継続することが求められます。医療・介護・予防・生活支援それぞれが緊密な連携をする必要があり、実現に向けて医療・介護制度が整えられつつあります。このためには、医療機関、介護・福祉施設、行政などの施設、そこで働いている多くの職種のかたがたの協力も必要ですが、これらの施設をつなげる人材が必要となります。自分の職場だけでなく、他の職場の内容を理解できる人であり、この役割をなすのが “医療福祉連携士”です。

 会場に参加されたほとんどの方は連携士の資格をもたれており、その方たちは医師、看護師、一般事務、薬剤会社職員などさまざまな職種であることに私は先ず驚かされました。また質疑内容からもあふれんばかりの熱意を感じ、さらに驚かされました。彼らは自発的に研修、実習し試験を受けて初めて資格を得ています。ハードルも高く有資格者もまだまだ少なく、全国で550名あまりです。彼らには、これからの日本社会の医療・福祉を良くする役割を担うのだといった気概を伺うことができました。
 このような人たちがいることは、日本は捨てたものではないと勉強させられました。陰ながら応援します。

2020年 10月 9日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三