院長徒然日記

院長徒然日記

No.193 建築現場に興味津々

 3階建ての増築工事が病院敷地内で進行しています。込み入った狭い場所での工事現場ですが、現在は基礎工事も終わり、躯体工事が始まったところです。 わたしたちは街を歩いているとあちこちで建築現場を見かけます。しかし工事現場はフェンスで覆われていたり、ネットやシートがかけられてますので、中の様子をうかがい知ることはほとんどできません。中ではどのようなことが行われているか、わたしは以前からとても興味がありました。おそらく多くの人たちも同じことを思っているのではないでしょうか? 建築現場は病院と管理棟をつなぐ渡り廊下や院長室のベランダから一望できるところで行われています。このようなことは滅多にない絶好のチャンスなので、時間的余裕のある時などは立ち止まって眺めております。眺めているうちに今まで疑問を抱いていたことなど多くの点が解決し、さらに多くのことを学び取ることができました。その中で大きく2つの点で教えられることがありました。

 先ず1点目ですが、用途別に使われる様々な建築機器です。特に基礎工事で使用される機器は、わたしたち素人からすると思いもよらないアイデアのもと作られており感心させられました。例えば杭工事で10メートル以上あるかと思われる鉄柱を打ち込む時などは、機器が柱をまるで抱き込むかのようにしていとも簡単に作業をしていました。地盤が崩れないよう鉄板で壁を作るときなどは、ショベルカーのような小さな機器でアクロバティックさながら次から次へと鉄板を繋いでいました。最近の医療機器の進歩も凄まじく、工事建築でも同様であることを目の当たりにしました。おそらく建築業の方が、医療の現場を見られれば同じことを実感されることと思います。お互い共同して新たな分野を開くことが今後の発展には欠かせないと言われていますが、改めて賛同します。

 2点目は実に管理された作業工程です。大まかなタイムスケジュールについては計画時に設計会社・建築会社から示されており、理解していましたが、細かい点についてはわたしには知る由もありません。細かな作業工程一つをとっても、トラックなどによる必要資材の搬入、各種クレーンといった様々な建築機器が運び込まれ作業を行っていますが、滞りなく、効率的で、しかも安全面についても配慮されております。わたしの目からすると実に管理された工程であり、この積み重ねで工事は進んでいることがよく理解されました。 医療現場でもクリニカル・パスを利用しています。わたしたちも多くのパスを備えており、日々の診療において医療安全・効率・教育目的で使用しており、さらにより良いものへと更新に努めています。パスは本来組み立て工場や建築現場で不良品管理、効率性、安全性を求めて開発されています。それを医療界でも導入し、一般化しています。建築現場を見ることにより、他業種を見習い、より良い行程に常に改善することの大切さを教えられました。

2020年 8月 11日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三