院長徒然日記

院長徒然日記

No.183 複雑な想い

 沈丁花の甘い香りが漂い、また例年より暖かい冬で桜の開花も今か今かと思う穏やかな気候が続いています。
9年前を思い起こせば、3月11日東日本大震災で日本国は大変な状況でした。わたしたちの病院からも災害救護活動に職員を派遣し、現地からの報告を受け、その対応に昼夜大変な日々を過ごしていました。当時わたしも副院長職として、臨床と災害救護の後方支援に対応しておりました。
今年は1月頃より新型コロナウイルス感染症の問題が持ち上がり、2月の中旬から日本でも大変な状況となりました。わたしたちの街でも3月に入ってからは近隣でも感染者が発生し、県、市を挙げて、またわたしたちの病院でも患者さん、職員からの発生を抑えるため、院長職としてその対策に連日対応に追われています。幸いにも現時点でわたしたちの病院では問題は生じておらず、地域住民の方に迷惑をかけることなく日常の診療を続けることが出来ております。しかしながら日本の現状を見ると、今後のことが心配され毎日気を張り詰めた日々を過ごしています。
 例年ですと日本人の一人として、また日本赤十字社の一員として“3.11を忘れない”の想いで東日本大震災について想いを巡らしている3月です。大震災からの復興はまだまだ達成されておらず、被災された方は大変な日々を過ごされておられます。また原発事故の廃炉問題も先の遠い状況かと推察します。
マスコミも震災のことを連日取り上げて、日本国民に啓蒙している今日この頃です。しかし今年はほとんど取り上げられることなく、新型コロナウイルス感染症一色になっております。どちらも大きな問題でありますので、バランスよく取り上げていただくことがあるのではと考えているのはわたし一人ではないと思います。
 さらに今年東京オリンピック・パラリンピックは明るい出来事と期待していましたが、にわかに暗雲が立ち込め始め、暗い気持ちにさせられます。春めいてきた暖かい気候とは裏腹に複雑な想いをさせられる3月です。    

2020年 3月 11日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三