院長徒然日記

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No.21 健康寿命
▲厳寒の中、凛と咲く院内の雪中花
▲厳寒の中、凛と咲く院内の雪中花

 先日エンディングノートについての講演を聞く機会がありました。最近密かに「就活」ならず「終活」が流行っていることを見聞きします。終活とは「人生の終わりのための活動」の略であり、人間が人生の最期を迎えるにあたって行うべきことを総括した言葉です。生前のうちに自身のための葬儀や墓などの準備や、残された者が自身の財産の相続を円滑に進められるための計画を立てておくことが挙げられます。エンディングノートは人生の最終章を迎えるにあたり、自身の想いや希望を書いておくためのノートです。これまでの生き方を振り返りながら自分に関するさまざまな情報を少しずつまとめ、自分が何をしたいのか、何ができるのかを見つめ直すきっかけになると思います。この意味で影のベストセラーになっているそうです。

 2012年の日本人の平均寿命は女性が86.41歳、男性が79.94歳で、女性は世界一となり、男性も5位でありました。高齢化はさらに進み2025年がピークと言われており、社会保障給付費も高騰し、財源となる消費税率の引き上げ分を折り込んでも次世代の負担軽減には程遠いと思われます。このため医療界でも診療報酬、医療提供体制等様々な議論がなされ、改訂されています。
 一方見方を変えると、普通私たちは日常生活の中で健康でありたいと願っていますし、健康を維持するために健康体操、スポーツジム、健康食品、そのほかいろいろなことをされています。健康であることが国民医療費の削減にもなりますし、社会の活力につながる本質であろうと考えます。これを端的に表す指標として健康寿命という考えがあります。
 健康寿命とは、日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことであり、2000年にWHOがこの言葉を公表しています。できるだけ健康寿命を平均寿命に近づけることが重要と考えます。
 まさに「ピンピンコロリ」が理想的な形かなと誰もが考えていると思います。健やかに安らかに寿命を全うするには何が必要か?こんな課題に取り組む組織が発足したことを知りました。日本は超高齢社会に突入しますが、人が長生きする長寿社会そのものは大変素晴らしいと思います。但し元気で健康な高齢者をいかに増やすかが大切です。元気な高齢者が増えれば、高齢者がもつ知識・能力・技術などを社会に生かすことができ、日本に活力をもたらしてもらえます。「GTI(G:元気で、T:楽しく、I:生きがいをもって)でピンピンコロリを実現させる」を設立の狙いとして社団法人が立ち挙げられています。この活動が発展して、まさにGTIの社会が実現することを願います。


2014年 2月 6日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三