院長徒然日記

院長徒然日記

No.175 新たなシステム構築

わたしたちは買い物をする場合衝動的でない限り、目的があり品物を手に入れようとします。ちょっとした品物でも情報をとり、実際に目にして「これで良いのか」「他のものはないのか」「本当にこれで良いのか」等々知らず知らずの内に頭の中で問い続け、そして行動に移しています。ましてや今までに買ったことのないものとか、高価なものの時はそのようにしていると思います。ある意味クリティカルシンキキング(批判的思考)をしながら最適解を導き出しています。

病院は大変多くの職種による労働集約型の組織です。患者さんに安全で質の高い医療を提供するには、多くの職種が同じ方向を向いてチームを組んで一定のルールを作ってシステムとして行動することが重要となります。最適なシステムを構築することは最重要課題であり、これはその病院にとって財産であり、文化です。
病院を取り巻く環境は刻々と変化しており、これに対応したシステムを改良したり、新たに作ることも必要となります。多職種が関連した仕組みですので、様々な職員が集まり、システムの目的は何か、そのためのルールはどうあるべきか、実行に移すにはどうするかなど多くの課題を議論して最適解を出すことが求められます。「現状分析は正しいのか、目的はそれで本当に良いのか、なぜ今なのか、ルールは適切なのか、スムーズに実行に移せるのか・・・・」といったことを問い続けることになります。この時、クリティカルシンキキングは大切な手法となります。疑問を持ちながら情報を整理していくことが大切です。安易に結論に辿り着くのではなく、疑問が出なくなるまで「問い続ける」という点です。「だから何?」「なぜ?」「本当に?」この3つの疑問を常に持ち続け、その事象の本質を見極めることがシステムを構築するとき重要と考えます。

クリティカルシンキキングの手法は日本では馴染みが薄く、けんかをふっかけているのか、自分の意見を否定しているのかなどと捉える人がいますが、そうではありません。議論を深めるために異なる考え方、異なる方向性を提示し、その上で「あなたはどう思うか?」と質問しているだけなのです。英語圏では議論展開の際に基本であり、意見を戦わせることから新しい発想を得るには必須の手法となっています。

クリティカルシンキキングで客観的に問題点を整理し、これにロジカルシンキング(論理的思考)を組み合わせて新たなシステム構築する文化を醸成したいと常に考えています。

2019年 11月 7日 姫路赤十字病院 院長 佐藤 四三